ノーベル賞に本庶氏 がん治療薬開発に貢献
今年のノーベル生理学・医学賞に、免疫細胞の働きを抑制するタンパク質「PD-1」を発見し、がん治療薬の開発に大きく貢献した京都大学の本庶佑特別教授が選ばれた。日本のノーベル賞受賞は2年ぶり。
本庶特別教授は京都市生まれの76歳で、「PD-1」と呼ばれるタンパク質が、免疫細胞によるがん細胞への攻撃にブレーキをかけていることを発見。その働きをコントロールすることで、がんへの攻撃が再び活性化されることを突きとめた。この発見により治療薬「オプジーボ」が開発され、がん患者への投与が始まるなど新たな免疫療法の発展に貢献した。
受賞理由について、選考したスウェーデンのカロリンスカ研究所は「全く新しいがん治療の原理を発見した」とした上で、「(本庶特別教授の)発見にもとづく治療は、がんに対して非常に効果的だということがわかった」と評価している。
同様に免疫細胞による治療の研究に取り組んだアメリカのジェームズ・アリソン博士と共同での受賞となった。
日本人の生理学・医学賞の受賞は5人目で、2016年の大隅良典さん以来2年ぶり。日本のノーベル賞受賞者は26人になる。
授賞式は12月にスウェーデンのストックホルムで行われる予定。