対イラン経済制裁 米政府に是正求める
アメリカ・トランプ政権のイランへの経済制裁をめぐり、国際司法裁判所(=ICJ)は3日、人道物資などの輸出について、アメリカ政府に是正措置をとるよう求めた。
トランプ政権は、イランとの核合意から離脱し、8月にアメリカドルによる取引禁止などの制裁を再発動していて、イラン政府が国際司法裁判所に制裁の取りやめを求める訴えを起こしていた。
これについて、国際司法裁判所は3日、制裁がイランへの医薬品や食料品など、人道物資の輸出にも影響を与えている、などとして、アメリカ政府に是正措置をとるよう求めた。
この判断について、イランのザリフ外相はツイッターで「法の支配の勝利だ」と歓迎し、「国際社会が一致して、有害なアメリカの単独主義に反撃する必要がある」と呼びかけた。
一方、判決を不服とするアメリカは3日、ポンペオ国務長官がイランとの友好条約を停止すると発表した。この条約は、イランによる国際司法裁判所への提訴の根拠となったもので、ポンペオ長官は、「アメリカを攻撃するために裁判制度が乱用された」と強く反発。イランが今もテロ活動や弾道ミサイル開発を続けていると非難した。