中国で麻薬密輸の罪に問われたカナダ人に対する懲役１５年の判決が軽すぎるとして差し戻された裁判で、このカナダ人に死刑が言い渡された。

遼寧省大連市の中級人民法院は１４日、麻薬密輸の罪に問われていたカナダ人のロバート・シェレンバーグ被告に死刑を言い渡した。

シェレンバーグ被告には去年１１月に、いったん懲役１５年の判決が言い渡されていたが、刑が軽すぎるとして、去年１２月末に、差し戻されていた。

通信機器大手ファーウェイの幹部がカナダで逮捕された事件の後に差し戻し命令が出ていて、今回の死刑判決にはファーウェイをめぐる問題でカナダ側を揺さぶる狙いも透けて見える。

一方、カナダのトルドー首相は１４日、今回の判決を激しく批判した。

トルドー首相「中国が恣意（しい）的に死刑の選択を始めたことは、カナダや国際社会にとって深刻な懸念」

その上で、「カナダ政府は深刻に受け止め、中国と協議していく」と述べた。