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英「EU離脱協定案」歴史的大差で否決

2019年1月16日 10:38

EU(=ヨーロッパ連合)からの離脱の条件などを定めた「離脱協定案」の採決が15日、イギリス議会で行われ、歴史的大差で否決された。3月末の離脱期限を前にメイ首相はさらなる窮地に追い込まれた。

離脱協定案の採決では、与党保守党から事前の予想を上回る118人の造反が出て、賛成202票、反対432票という歴史的な大差で否決された。今後メイ首相はEU側とも協議したうえで今月21日までに代替案を議会に提示することになる。

メイ首相「政府は議会の意見を聞いた。議会も離脱求める国民の声を聞いてほしい」

市民「離脱期限を延長して他の可能性を検討すべきだ」「総選挙を行うべきそれが一番分かりやすい」

また、野党・労働党は否決を受け、メイ内閣に対する不信任案を提出した。16日におこなわれる投票の結果によっては退陣に追い込まれる可能性もあるが、BBCは否決される見通しだと伝えている。

一方、EUの執行機関であるヨーロッパ委員会のユンケル委員長は、早急に今後の対応を明らかにするよう求めたうえで、「ほぼ時間切れだ」として、再交渉には否定的な姿勢を見せている。

今回の否決で3月29日の期限を前に、「合意なき離脱」の可能性がさらに現実味を増したが、離脱時期の先送りを模索する動きも出ており、混迷が深まっている。