王女が首相候補に国王“不適切”タイ総選挙
タイで3月に予定されている総選挙をめぐり、軍政の対抗勢力は8日、ワチラロンコン国王の実の姉を首相候補として、選挙管理委員会に届け出た。しかし、国王は「不適切だ」として反対する意向を表明した。
タイで3月に予定されている総選挙では、2014年以降続く軍政から民政に復帰するかが焦点。こうした中、軍政側に対抗する最大勢力のタクシン元首相派の政党のひとつ、「タイ国家維持党」は8日、ワチラロンコン国王の実の姉であるウボンラット王女を、首相候補として選挙管理委員会に届け出た。王女は外国人と結婚して王室から離れたが、その後離婚したため、王室に準じた扱いを受けている。
国民から敬愛される王室関係者が、タクシン派の首相候補になれば選挙の構図が一転し、軍政側の勢力は厳しい戦いを強いられることになるとみられていた。
しかし、ワチラロンコン国王は8日深夜、「王女は王室を離れていても、実質、王室の人間として振る舞っている」としたうえで、「政治への関与は王室の慣習に逆らうもので、不適切だ」として、王女が首相候補となることに反対する意向を示した。