米朝首脳会談 「事実上の決裂」の理由
2回目の米朝首脳会談。金委員長との親密ぶりをアピールしてきたトランプ大統領だが28日午後、事態は急変した。米朝首脳会談は合意に達することができなかった。
会見を終えたトランプ大統領だが、すでにハノイの空港で大統領専用機に乗り込み、帰国の途に就くところ。
会談が事実上決裂した理由だが、大統領は会見で、北朝鮮が制裁の全面解除を強く求めてきたことを挙げた。
アメリカ・トランプ大統領「北朝鮮は経済制裁の全面解除を求めてきたので、私たちは交渉から立ち去るしかなかった。我々は合意文書を用意していたが、現時点で署名するのは適切でないと思った」
さらに、非核化の具体策についても、アメリカの要求に北朝鮮が応じなかったことを明らかにした。結局は、非核化とその見返りを巡る溝が全く埋まっていなかったことになる。
また、トランプ大統領の厳しい国内事情も決裂の背景にありそうだ。元側近が27日、ロシア疑惑を巡り、大統領を直撃する爆弾発言をした。このタイミングで北朝鮮と「安易な妥協をした」と批判されることは政権運営へのダメージが大きすぎると、判断した可能性もある。