梨泰院・転倒事故の遺族が会見 “徹底的な真相究明” “尹大統領の謝罪”を求める
韓国・梨泰院で158人が犠牲となった転倒事故で、約30人の遺族が22日、ソウルで会見しました。遺族たちは涙ながらに徹底的な真相究明と、政府や尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の謝罪を求めました。
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時間がたっても、癒えることのない悲しみ。
息子を亡くした女性
「守ってあげられず申し訳ないと、愛していると大きな声で伝えたい。愛しているよ、子供たちよ。愛しているよ、わが息子」
韓国・梨泰院で多くの若い命が奪われてから3週間あまりとなる22日、犠牲者の遺族約30人が会見を行いました。
娘を亡くした男性
「先に逝かせてしまった申し訳なさで、守れなかった申し訳なさで、張り裂けるような悔しさで胸を打たれています」
会見中、女性が音楽を流し始めました。歌っているのは、事故で亡くなった若手俳優のイ・ジハンさんです。「お母さん、誕生日おめでとう。愛してるよ」と、息子が残した最後の肉声も流されました。
さらに会見の途中では、1人で立つことすらできなくなる遺族の姿も見られました。
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ソウルの繁華街・梨泰院で日本人2人を含む158人が亡くなった転倒事故をめぐり、批判されているのが警察などの対応です。
事前に現場の危険性が報告されながら、事故当日の警備に生かされず、また、当日は警察の出動要請に、迅速に対応できなかったことなどが指摘されています。
警察の特別捜査本部が警察機関を家宅捜索するなど、異例の事態になっています。
22日の会見で遺族側は、韓国政府に対し、事故の責任が政府や自治体、警察にあるという立場を明確にするよう求めたほか、尹錫悦大統領の謝罪も必要との立場を示しました。
娘を亡くした男性
「国民の生命と安全のために国家はどこにいたのか、国家が何をしたのか、国家が答えるべきだ」
また、遺族側は、徹底的に事故の真相を究明することや、防止策を講じるべきだったすべての責任者を調査し、責任を問うよう訴えています。