エジプト・モルシ前大統領 裁判中に急死
中東の民主化運動「アラブの春」を受けてエジプトの大統領に就任し、その後、クーデターで失脚したモルシ前大統領が17日、裁判の最中に急死した。
エジプトの国営メディアによると、モルシ前大統領は17日、被告として出廷した裁判の最中に意識を失い、まもなく死亡が確認された。死因は明らかになっていない。
モルシ前大統領は「アラブの春」で独裁政権が崩壊後、初めて民主的に行われた2012年の選挙に勝利し、大統領に就任。しかし翌年、クーデターで失脚し、出身母体のイスラム組織「ムスリム同胞団」はテロ組織に指定され、自らも死刑判決を受けていた。
ムスリム同胞団は「モルシ氏は拘束中、薬や治療を奪われ、じわじわ殺された」と非難していて、当局と緊張が高まる恐れがある。