短距離弾道ミサイル発射 北朝鮮の狙いは?
北朝鮮は7月31日午前5時過ぎ、東部の元山周辺から日本海に向け短距離弾道ミサイル2発を発射した。25日に続いてのミサイル発射となる。北朝鮮の狙いは、何なのか?
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「北朝鮮がきょう未明、短距離弾道ミサイル2発を発射しました」(韓国・SBS 7月31日)
日本時間7月31日早く、25日に引き続き、ミサイルを発射した北朝鮮。韓国軍によると、日本海の方向に向けて、短距離弾道ミサイル2発を発射。飛行距離はおよそ250キロとみられている。
北朝鮮は、7月25日にも短距離弾道ミサイル2発を発射。韓国軍は31日に発射したミサイルについて「25日のミサイルと類似したミサイルだと推定して分析中だ。移動式発射台から発射された」としている。
韓国軍関係者は25日のミサイルについて、ロシアの「イスカンデル」に類似した短距離弾道ミサイルと分析。31日に発射されたのも、25日と類似したミサイルとみられている。
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相次ぐ短距離ミサイル発射について、北朝鮮政治に詳しい慶応義塾大学・礒崎敦仁准教授は「(北朝鮮は)国防力も強化したいが、アメリカとの関係も強化したい。アメリカとの協議を続ける以上、核実験とか大陸間弾道ミサイル実験に戻ってしまうわけにはいかない。(短距離ミサイルは)アメリカとの交渉を続けていきたいという意思の表れ」と指摘。
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今、タイのバンコクでは、ASEAN(=東南アジア諸国連合)の外相会議が開かれている。しかし、バンコクに駐在する北朝鮮大使が31日の予定を急きょキャンセル。ミサイル発射についてはコメントしていない。
25日の発射については問題視しなかったアメリカ。
アメリカ・ビーガン特別代表「(Q.今回のミサイル発射について)コメントできない」
その一方で、米朝は対話を模索する動きも見せている。ロイター通信によると、アメリカ政府当局者は6月に行われた米朝首脳会談の写真を渡すため、先週、南北の非武装地帯を訪問。その際、北朝鮮当局者は、非核化に向けた協議が極めて近い将来に再開されると伝えたという。
ただ、8月5日からは米韓合同軍事演習がスタート。北朝鮮はこれに反発する形で軍事的な動きを続ける可能性もありそうだ。