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GSOMIA破棄 韓国いつ判断?狙いは?

2019年8月22日 23:51

日本と韓国が軍事機密を共有するため結んだ協定=GSOMIAについて、韓国政府は協定を延長せず、破棄した。

Q.韓国側は、なぜこのような判断になったのだろうか?

大統領府の関係者は「先月末までは政府内でGSOMIAを維持するとの意見が多数だった」と明かしている。独自の世論調査をほぼ毎日行っていたといい、最後の最後まで判断に揺れていたようだ。

実は決定の直前まで、韓国メディアもGSOMIA延長の可能性が高いとみていて、「協定を維持しつつ、日本との情報交換を制限して圧力をかけるのではないか」との見方を報じていた。

そうした中で、破棄まで判断した最大の理由は、日本政府が輸出の優遇措置をとる国から韓国を除外したこと。21日も外相会談で韓国側は強く撤回を求めたが、“日本側の対応は変わらない”と判断したようだ。

Q.最近、文大統領の発言がややトーンダウンしていたのに、なぜだろうか?

まさに、その文大統領の演説も判断の背景にあったようだ。韓国大統領府の関係者は「大統領が意味あるシグナルを送ったにもかかわらず、日本側が公式に反応しなかった」と不満を述べている。

Q.今後、日韓関係はどうなってしまうのか?

日韓の亀裂がさらに深まり出口は見えなくなっているが、懸念されるのは北朝鮮をめぐる対応。韓国側は今月、北朝鮮がミサイルなどを発射した日、少なくとも3回、日本側と情報共有したと明らかにしている。

韓国側は軍事機密の共有はGSOMIA締結前の仕組みで行われ、情報は遮断されないと主張しているが、今後、安全保障の現場で影響が出る可能性もある。