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パキスタン大統領 単独インタビュー全文1

2019年10月23日 20:34

■Q:即位の礼に参列されるお気持ちは?

「今回は、2回目の日本訪問。パキスタンと日本の関係は、強固かつ友好的である。歴史的な天皇陛下の即位の礼に参列できるのは、誇りであり光栄だ。日本に来る時や、パキスタンで日本人と会う時、両国の絆や、日本人の礼儀正しさを感じる。これらは、日本の特徴であり、パキスタン人は、このように接してくれることに感謝している。妻も一緒に来日しており2人で、長い間つづく伝統を目で見られるのが楽しみだ。

また、世界中から来る人や首脳と会うのも楽しみだ。即位の礼は、各国の首脳と会う良い機会でもある。私がパキスタンを代表して日本の歴史的な出来事に参加できるのは素晴らしいことだ。

パキスタン国民も、即位の礼の映像に注目すると思う。世界中の人が見守る中で、美しい、魅力的な儀式になると思う」

■Q:日本とパキスタンの関係について

「パキスタンと日本の関係は、パキスタンの独立以来、強固だ。日本政府は、社会分野で協力してくれており、病院や小児病院等整備への貢献は、とても感動的なものだ。国際協力機構(JICA)は、カラチの環状鉄道の復旧も模索している。

パキスタンにおける日本の取り組みは全て、パキスタンが必要としているものだ。両国は深い文化交流も行っている。妻は、もうずっと生け花をやっている。様々な形で、日本の文化は平和的な影響をもたらしている。今後も、あらゆる分野で協力の可能性がある。

パキスタンは、投資を受け入れる、とても安全で美しい国だ。日本人観光客が自然を大切にするのは、世界中で知られているが、日本人観光客の姿はよく、美しいパキスタン北部で目にする。来てくれることは、嬉しい。写真だけでは、壮麗な山岳地帯の本当の美しさは伝わらない。

実は、私の家族も日本との関係が深い。私の父は、4人の日本人留学生に奨学金を与えていた。1970年代だった。月に1度、彼らを家に招いて夕食会を開いていた。父は、1933年に京都と東京を訪問し、半年間日本に滞在した。私自身も、家族も日本の文化と歴史に深く触れてきた。私は、日本の歴史について、たくさんの本を読んだ。このような交流は、良いことだと思う。

また、私は、パキスタン人に海外の文化の良いところを吸収して欲しいと、演説で、日本人の規律正しさについて触れたことがある。

東日本大震災の時には、水をもらうために数百人が列をつくり、混乱が起きなかった。様々な被災地で、混乱を見かけるが、日本人は自制心があり、面倒見が良く、とても礼儀正しいのだ。これは、モノ以上に、日本最大の“輸出品”と言える。日本人の行いは世界中の人に良い刺激を与えている。

日本の台風による被害は、とても心配だった。安倍首相にメッセージを送ると、ツイッターで返信が来た。パキスタンで地震などの災害があると、日本の反応は、いつも素早い。私は、(台風19号の)被災者、亡くなった人、家を失った人に哀悼の意を伝えたい。
自然災害と温暖化の関連性は分からないが、自然災害の増加を示す科学的な証拠があるという考えは、世界中で広がっている。環境や温暖化の問題を心配しているのは、日本だけではない。パキスタンも同じだ。広大な土地に植林も行っている。カーン首相は、就任前に10億本の植林を手掛けていた。さらに、100億本を植林する計画がある。

また、水不足の問題も世界的な課題だ。パキスタンでは、水を大切に使う取り組みを行っている」