ローマ教皇、人気の秘密と核兵器廃絶の思い
23日、ローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇が羽田空港に到着した。ローマ教皇の来日はヨハネ・パウロ2世以来、38年ぶり。気さくな人柄で知られるフランシスコ教皇は、世界中で高い人気を誇る。その人気の秘密と、教皇がこだわり続ける核兵器廃絶への思いに迫った。
◆行く先々で熱烈な歓迎…人気には人柄が影響
今年9月、アフリカ・モザンビークの競技場に大勢の人が集まっていた。雨の中、人々が待っていたのは、ローマ教皇フランシスコ。世界中、行く先々で熱烈な歓迎を受けている。ツイッターのフォロワー数は1800万人を超えるほどの人気ぶりだ。
訪問先では、「自撮り」に気軽に応じる場面も。フランシスコ教皇が人気なのは、その清貧な人柄が大きく影響している。
教皇は世界13億人のキリスト教カトリック信者の頂点に立つが、移動に使うのは庶民的な車。ローマ教皇といえば防弾ガラスに囲まれた特注の専用車がおなじみだが、フランシスコ教皇の専用車は庶民的な車を改造したもの。人々と触れ合えるよう、両側には防弾ガラスもない。
市民「見に行こうって私が言った。教皇が2メートルの所にいて興奮した」
◆“教会は貧しい人たちのためにある”
教皇は82歳。アルゼンチンのブエノスアイレスで生まれ、父親は鉄道職員というごく一般的な家庭で育った。ブエノスアイレスの大司教という要職に就任した後も、バスや電車などで移動していたという。
フランシスコ教皇「貧困に対する無関心を見るに、私は心が痛む」
今月17日には、バチカンにホームレスなど約1500人を招いて食事会を開いた。“教会は貧しい人たちのためにある”との考えを持ち、高い地位を得た後も、できるだけ質素な生活を心がけている。
一方、時にはこんな場面も…。突如、ステージ上に男の子が現れ、教皇のイスにどっかりと腰をおろしてしまった。しかし、教皇は男の子を笑顔で受け入れ、イベントは続けられた。
◆こだわる「核兵器の廃絶」 日本でのメッセージは
その教皇がこだわっているのが、核兵器の廃絶。今年6月、“核なき世界”を訴える広島と長崎の「高校生平和大使」に対し、こんな言葉をかけていた。
フランシスコ教皇「平和に向けて活動を続けなさい。続けて、これからも。神のご加護がありますように。(原爆の惨禍を)忘れてはいけない。決して忘れないで」
教皇は、世界唯一の被爆国である日本でどんなメッセージを発するのだろうか。