ロシア軍“自爆型ドローン”による攻撃相次ぐ 高価な“巡航ミサイル”にも限りがあり…
ウクライナの首都・キーウなどでロシア軍の”自爆型ドローン”による攻撃が相次ぎ、死者が出ています。その時の攻撃の状況が明らかになりました。ロシア側は今回、なぜ自爆型ドローンで攻撃したのか、専門家に聞きました。
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ロシア軍は18日もウクライナへの攻撃を実施しました。18日朝、ウクライナの首都・キーウ北部のエネルギー関連施設が狙われ、複数の場所で爆発が起きました。
その前日の17日、明け方に爆発が起きました。その後、キーウ市内の他の場所でも爆発が。ウクライナ側は迎撃ミサイルを発射しますが、攻撃を受け爆発しました。
ウクライナ警察も銃で応戦。すると、轟音とともに急降下したのはロシアの無人機・ドローンです。ウクライナ側はイラン製の「自爆型」だとしています。
ウクライナ空軍報道担当
「少なくとも37機の“カミカゼドローン”を破壊した」
ウクライナ側は“多くを撃墜した”としていますが、キーウの集合住宅など複数箇所が攻撃されました。市民はシェルターに避難しました。
避難した市民
「お姉さん、お水ください。頭がフラフラしている」
キーウ市民
「これは殺人です。他に言葉はありません」
キーウ市 クリチコ市長
「ロシアはここで人道的な大惨事を望んでいる。ロシアはテロ国家だ」
消防などは直後から救助活動を開始し、ガレキに閉じ込められた人などを多数救出。ビルの倒壊現場からはネコも救助しました。
17日、ロシアはドローンの他、各地をミサイルでも攻撃し、あわせて8人が死亡しました。
ウクライナ ゼレンスキー大統領
「ロシアのテロの犠牲になったすべての人々に永遠の記憶を。世界はこのテロを止めることができるし、止めなければならない」
今回使われた自爆型ドローンについて、ウクライナは「イラン製だ」としていますが、イラン側は否定しています。
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ロシア側は今回、なぜ“自爆型ドローン”で攻撃したのか、専門家に聞きました。
東京大学・先端科学技術研究センター 小泉悠専任講師
「当然のことながら、巡航ミサイルにも限りがありますので、8か月の戦争のうちに減ってきていることは間違いない。これまでのようなペースで、高価な巡航ミサイルを撃つことはできない。そこで、イラン製の比較的安くて大量に手に入る武器を使い始めたか」
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こうした中、ウクライナに近いロシア南部エイスクでは、ロシアの軍用機スホイ34が高層住宅に墜落し炎上しました。
ロシア非常事態省によると、離陸後に軍用機のエンジンから出火したとみられていて、これまで13人が死亡、19人がけがをしました。当局が調べを進めています。