激しさ増す戦闘 ウクライナの兵士や家族などの心のケア課題に
ウクライナの反転攻勢で戦闘が激しさを増す中、戦闘で傷を負う兵士や家族などの心のケアが喫緊の課題となっています。
去年2月の侵攻直後からウクライナでは「Unbroken」という体と心のケアについてのプロジェクトが始まりました。国立リハビリテーションセンターでは、兵士の身体的なリハビリと同時に心のケアをおこなっています。
戦地から帰還した兵士の中には、不眠や悪夢に悩まされたり、重度の鬱や極度の孤立状態に陥ってしまったりする人もいるといいます。
医師
「(戦場で)何を感じましたか?」
患者
「恐怖に襲われて、全身が震えました。いま思い返すと、死がすぐそこにあったんです」
市民の中にも深刻なトラウマを抱える人が多く、集団セラピーやアートセラピーなど様々な治療が施されています。
戦地から帰った兵士が描いた絵を見てみると、段々と戦争のことが整理されていっていますが、最近の絵では現実とともに自分の半分が不安の中にあるということを表しているそうです。
医師
「戦争における心の傷がコミュニケーションや家庭・社会・職場にどのような影響を及ぼすか学ぶ必要があります。戦争被害者の人生が変わった以上、我々も寄り添わなければなりません」
侵攻開始からまもなく500日。人々の心に残された傷はこれからも向き合わなければならない深刻な課題となっています。