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中国・南京事件から87年 反日感情高まり異例の警戒…現地の日本人「外出る時は中国語で」

2024年12月13日 20:09
中国・南京事件から87年 反日感情高まり異例の警戒…現地の日本人「外出る時は中国語で」

87年前の13日は、旧日本軍が多くの中国人を殺害したとされる「南京事件」が起きた日です。反日感情が高まるなか、今年は中国に住む日本人にとって「特に注意が必要」とされています。

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中国・北京にある日本料理店で13日に話を聞くと…

日本料理「蔵善」 小林金二社長
「日本だと忘年会シーズンでにぎやかにやってますけど、(中国に住む)邦人の皆さんは自粛していると思います」

中国に8年住む日本人も…

北京に8年住む日本人
「8年、北京にいる中で一番、今年が警戒している日かな」

12月13日は、87年前に旧日本軍が多くの中国人を殺害したとされる「南京事件」が起きた日です。江蘇省南京市では、中国政府主催の追悼行事が行われました。

中国共産党幹部(中国・南京市、13日)
「日本の侵略者に殺された同胞すべての悲劇をしのぶ」

中国側は、「人道に対する恐ろしい犯罪には鉄壁の証拠があり、改ざんすることはできない」などと厳しく非難しました。

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例年、反日感情が高まるとされる12月13日。今年は、中国に住む日本人にとって“特に注意が必要”とされているのです。

日本と中国で行われた最新の共同世論調査では、「日本の印象が良くない」と答えた中国人は87.7%に上りました。1年前と比べて25ポイント近く増加しています。

急激に対日感情が悪化するなか、今年6月には蘇州市で日本人の親子などが中国人の男に刃物で切りつけられる事件が発生。9月には、広東省深センで日本人の男子児童が男に刺され亡くなりました。

注目されたのは、この事件が起きた9月18日という日付です。

93年前の9月18日に旧日本軍が中国で鉄道の線路を爆破した「柳条湖事件」が発生。これをきっかけに満州事変が勃発し、旧日本軍が当時の満州を占領しました。そのため、9月18日は反日感情が高まりやすい日だとされていたのです。

そして迎えた「南京事件」から87年の13日。万が一の事態に備え、中国本土と香港にあるすべての日本人学校で、登校が取りやめになり、オンライン授業や休校などに切り替える措置がとられました。

中国に住む日本人には、大使館からメールが届いたといいます。

大使館からのメール
「12月13日は南京事件の日です。中国人の反日感情が特に高まりやすく、日本人は特に注意する必要があります」

メールでは、大声で日本語を話すことや、日本人と推測される服装を避けるよう例年より強めの注意喚起が行われました。

北京に8年住む日本人
「本当に、今年は特に注意喚起という面でだいぶ長文だったりとか。このメールが来たときはやっぱりだいぶ怖かったです」

中国人の夫との間に、幼稚園に通う息子がいるといいます。

北京に8年住む日本人
「 子どもに対する事件や無差別な事件は対策しようがないので、その辺がだいぶ怖いですね。私と(息子)2人で外に出るときは中国語を話すように。あと、なるべく目立たないように多少気をつけています」

日本料理店でも影響が出ています。毎年、12月13日は予約がほとんど入らないといいますが…

日本料理「蔵善」 小林金二社長
「今年は余計に警戒する人が多いんじゃないか。予約の電話をとると『その日は避けて』と『じゃあ来週』と、一週間遅らせるとか一週間早めるという感じでやる方が多いですね」

今年は、中国の日本人社会でこれまでになく警戒感が高まっています。

最終更新日:2024年12月13日 20:09