アメリカのバイデン政権は10日、イスラエルがパレスチナ自治区・ガザ地区で国際法に違反する形でアメリカから供与された武器を使用した疑いがあるとする報告書をまとめました。

国務省から議会に提出された報告書では、イスラエルがガザ地区での戦闘においてアメリカが供与した武器を国際法に違反して使用した疑いがあるとの見解を示しています。ただ、それを証明するだけの「十分な証拠はない」として国際法違反と結論づけることは避けています。

また、ガザ地区で民間人の犠牲者が出る中、イスラエルの民間人保護への取り組みについて、「重大な疑問がある」との見方を示しました。

一方、国連の総会では10日、パレスチナの国連への正式加盟を支持する決議案の採決が行われ日本を含む143か国の圧倒的な賛成多数で決議が採択されました。

国連でパレスチナは投票権のない「オブザーバー国家」の立場ですが、先月、およそ13年ぶりに正式加盟を申請していました。

反対はアメリカやイスラエルなど9か国にとどまり、イスラエルの国連大使は国連憲章と書かれた紙をシュレッダーにかけるパフォーマンスを見せました。

正式な加盟には安全保障理事会の勧告が必要で、常任理事国のアメリカが反対するため加盟自体は実現しない見通しですが、イスラエルの孤立が改めて浮き彫りになった形です。