緊迫のウクライナ情勢 米ロ外相“電話会談”衝突回避どうなる
日本時間1日夜、注目のアメリカとロシアの直接対話が行われています。ウクライナ情勢について、両国の首脳の意向を受けて、外相どうしが電話で会談中ということですが、新たな動きが…。
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■ベラルーシで米大使館職員の家族らに「退避」命令
小野高弘・日本テレビ解説委員国際部デスク
「ウクライナの北側の隣国のベラルーシで、アメリカ大使館の職員の家族らに『国外に退避せよ』と命令が出されたんです」
有働由美子キャスター
「危ない、ということですね」
小野
「ベラルーシはロシアと同盟国です。なので、合同軍事演習だといってロシア軍が部隊を派遣し、さらに増やそうとしているわけです。何があるかわからないから、大使館員に退避をということなんですが、こうして北側そして東側、南側とウクライナを取り囲むように総勢12万以上のロシア軍がかまえているんです」
「この状況について、アメリカの国防長官は『ロシアがウクライナ侵攻の準備を整えた』との認識を示したんですね」
有働
「でも、そうならないようにギリギリの話し合いが行われているということですよね」
■「アメリカは“メガホン外交”」ロシア怒り
小野
「では、その話し合いはどうか、ということですが、『アメリカがやっていることは“メガホン外交”だ』とロシアが怒っているんです。メガホンというのは『みんな聞いてくれ』と言って、はやし立てる時に使います。アメリカがやっているのはそういうことだというんです」
「日本時間の先月31日夜、国連の安全保障理事会をアメリカが『公開でやろう』と言って、その中で『ロシアの動きは攻撃的だ。国際秩序をおびやかしている』とロシアを責めたんです。ロシアは『この会合自体メガホン外交だ』『欧米が自分たちで緊張をあおっているだけだ』と、もう言い合いです」
■米“NATO不拡大”拒否…「軍事演習制限」提案も 折り合いは?
有働
「不信感が深い感じがするんですけど、折り合いはつくんですか?」
小野
「ロシアが求めているのは、『アメリカを含む軍事同盟のNATOが拡大しないこと』、そして、『ウクライナを加盟させないこと』。でもアメリカはこれを拒否しています。そのかわり『軍事演習をお互い制限しよう』という提案をしています」
「さて、この先どう折り合いをつけていくかを話しているとみられます。ただ、会談の直後にロシア側は『記者にブリーフィングする』と言っているんです。つまり、ロシアは『主張をしっかり伝えたい』という姿勢のようですので、簡単に折り合えそうにはない感じなんです」
有働
「外交で、話し合いでなんとか折り合いをつけほしいところですけど…」
(2月1日放送『news zero』より)