ゼレンスキー大統領 東部ハルキウ「ロシア軍を押し戻している」
ロシア軍による侵攻が続くウクライナの戦況について、ウクライナのゼレンスキー大統領は10日、東部ハルキウでロシア軍を押し戻しているとの見方を示しました。
ゼレンスキー大統領「わが軍からハルキウに関する良いニュースが届いた。占領者(ロシア軍)はハルキウから徐々に押し戻されている」
ゼレンスキー大統領はこのように述べた上で、ウクライナ軍はすべての領土の解放を目指すと強調しました。
東部や南部の制圧を目指すロシア軍に対し、ウクライナ側は激しく抵抗していて、アメリカ国防総省の高官はこの地域でのロシア軍の侵攻は、想定より2週間か、それ以上遅れていると分析しています。
さらに、アメリカの情報機関トップはロシアのプーチン大統領が戦闘の長期化に備えているとの分析を明らかにしました。
アメリカ・ヘインズ国家情報長官「プーチン大統領はウクライナでの戦いの長期化に備えていて、東部ドンバス地方の確保以上の目標達成しようとしていると評価している」
また、今後戦闘が長期化すれば、必要な物資などを確保するために、ロシア国内に戒厳令を出す可能性が高いと指摘しています。
こうした中、南東部マリウポリのアゾフスタリ製鉄所では、立てこもっている現地の治安組織「アゾフ連隊」などに対し、ロシア軍が空と地上からの攻撃を続けています。
東部で戦闘に参加している「アゾフ連隊」のメンバーがこのほどNNNの取材に応じ、アゾフスタリ製鉄所が置かれた状況について「なすすべがない」と窮状を訴えました。
「アゾフ連隊」メンバー「アゾフスタリ製鉄所に近づくのは不可能、近づけばたくさんの兵士が命を失う。忸怩(じくじ)たる思いだが、なすすべがない」
その上で、国連の介入による救出が残された唯一の方法だと語りました。