観光スポット軒並み閉鎖 バンコクのいま
新型コロナウイルスの感染拡大で、3月末から非常事態宣言が出されているタイ。タイの主要産業のひとつである観光業は深刻な影響を受けています。バンコク支局の杉道生特派員の報告です。
■人気のナイトマーケット閉鎖
タイで人気の観光スポットのひとつがマッサージ店です。たくさんのマッサージ店が並ぶバンコク市内の通り。店は明かりが消えており、扉にはチェーンがかかっています。
タイで最初に閉鎖されたのが、こうしたマッサージ店や映画館、スポーツ施設といった、いわゆる娯楽施設なのです。日本人の客が多かったというマッサージ店の店員に話を聞きました。
マッサージ店員「かなり不安です。世界的にも感染者が増え収まる気配がないので。感染をこれ以上、広げないように自分たちの身を守りたい」
観光客に人気のナイトマーケットがあった場所も、現在では「人が大勢集まる場所」として閉鎖されています。そのナイトマーケットを上から望むことができる立体駐車場に来ました。
こちらは絶好の写真スポットとなっていて、普段なら軒を連ねたテントがライトアップされ、幻想的な風景になります。現在はテントがすべて撤去され、コンクリートがむき出しとなっています。
■ナイトスポットのネオンも消え
バンコクといえばナイトスポットも有名です。外国人も大勢集まっていたパッポン通りを訪れると、辺りは真っ暗になっています。
普段であれば、ネオンがギラギラと輝いていて、東南アジア・タイらしい風景になっているはずが、現在はシャッターも閉まっていて、明かりもまったくついていない状況です。タイ政府観光庁の予測によると、観光業の損失は3兆3000億円にものぼるといいます。
店の前には「3月18日から31日までは閉店。4月1日には開ける」と書いた張り紙がしてあります。しかし、タイでは非常事態宣言が出され、こうしたナイトスポットの閉鎖期間が延長されている状況です。
タイらしい喧噪がいつ戻ってくるのか、見通せないのが現状です。