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ロシア侵攻から2か月あまり 長引く避難生活…困難に直面 ウクライナ人の母親は

2022年4月30日 18:59
ロシア侵攻から2か月あまり 長引く避難生活…困難に直面 ウクライナ人の母親は

ロシアの侵攻から2か月あまり。国外に逃れたウクライナ人の多くは子どもを連れた母親で、長引く避難生活の中、様々な困難に直面しています。ポーランドに避難したある母親を取材しました。

「ロシアを止めて家族を守って 」

ポーランド南部クラクフで行われていたのは、“母親の行進”と題した反戦デモ。参加したのは、ウクライナから避難した母親ら数百人です。ポーランドに逃れた人はおよそ300万人。60歳以下の成人男性は原則ウクライナから出国できないため、その多くは子どもを連れた母親です。

生活のため、支援に頼る母親たち。一方で、早く仕事を見つけ、安定した収入を得たいと話します。

「子どもがいるので仕事を探しています」
「どんな仕事でもやる気があります。でもポーランド語が分からないと就職できません」

 ◇◇◇

ウクライナ南部ミコライウから避難したマルガリータさんも仕事を探す母親の1人。トイレ、キッチンが共同のアパートの一室で3歳の息子・グレブくんと暮らしています。

グレブくん「いやだ(幼稚園)行きたくない」
マルガリータさん「そうだよね 分かるよ」

グレブくんをなだめて、なんとか幼稚園に預けたマルガリータさん。部屋に戻ってやっていたのは、ポーランド語の勉強です。

しかし、ポーランド語の勉強は始めたばかりで、まだ仕事は見つかっていません。そのため出費を切り詰める毎日。買い物は必要最低限の食料のみ。仕事をしていないため、お金の不安が常に頭から離れないといいます。

しかし、仕事に就けない理由は、言葉の問題だけではありません。

マルガリータさん「(ポーランド語ができない)女性向けの求人は、工場で10時間以上働くような仕事しかなく、(長時間)息子の面倒を見てくれる人がいないので そんな仕事はできません」

親子2人きり、見知らぬ土地で暮らすからこその悩み。その上、グレブくんはポーランドに避難してから様子がおかしいといいます。

マルガリータさん「息子はストレスを感じています。ウクライナで爆発音や空襲、戦闘機の音を聞きました。そして今は知らない国、知らない人、知らない言葉。だから私から離れません」

そんな我が子が心配で、いまは仕事ができないのです。“働きたいけど、働けない”。マルガリータさんは、先の暮らしが見通せないと話します。

マルガリータさん「朝、目が覚めるとその日のことしか考えられません。子どもを幼稚園に送る。仕事を探す。食材がなくなったらスーパーに行く。こんなに支援してくれてポーランドにはとても感謝しています。でもここは私たちがいるべき場所じゃない。親戚もいないし、なにもかもが違います。だから何としても私たちはウクライナに帰りたい」

長引く避難生活。将来への不安と故郷への思いが消えることはありません。

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