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「人工呼吸器扱える人ほぼいない」ソマリア

2020年5月11日 0:19

新型コロナウイルスの感染者が確認されているアフリカのソマリアで活動する日本人医師がNNNの取材に応じ、「人工呼吸器を扱える医療関係者がほとんどいない」などと、ぜい弱な医療体勢に危機感を示しました。

国境なき医師団・平井亜由子医師「人工呼吸器を使ったことがない医療従事者ばかりなので、モノ(人工呼吸器)があっても使えない」

平井医師は、ソマリアで、医療関係者らに新型コロナウイルス感染予防の指導などを行っています。平井医師が活動する北部の地域には、人工呼吸器が15台しかない上、拠点病院でも機器を扱えるスタッフはほとんどいないということです。

また、感染が疑われる患者の検査が可能になったのは、わずか2週間前ということです。

こうしたことから平井医師は、感染者数について、確認されている人数と実態との間にかい離がある可能性を指摘します。

国境なき医師団・平井亜由子医師「地方で、検体を送るというのが難しいので、検査はしないで隔離だけで置いているという症例があるのは分かっている。着実に検査ができたときに、どこまで(感染者が)増えるのか見通せない」

現地では結核の蔓延も深刻で、平井医師は、新型ウイルスの感染が広がれば医療体勢は持たないと危機感を示しています。