IAEA定例理事会 処理水放出めぐり日中応酬 日本側は安全性など説明も…中国側は「近隣諸国と協議せず放出」と非難
IAEA=国際原子力機関は11日、定例の理事会を開きました。日本側が福島第一原発の処理水の放出について改めて説明したのに対し、中国側が「近隣諸国と協議せずに一方的に決めて放出している」などと非難して、日中の応酬が繰り広げられました。
11日に、オーストリアのウィーンで開かれたIAEAの定例理事会では、日本側が改めて福島第一原発の処理水の放出について、安全性などを説明しました。
会議に参加していた関係者によりますと、これに対して、中国側が反発し、「日本は海に流す以外の選択肢があったにもかかわらず、それを選ばなかった。日本が近隣諸国と協議をせずに一方的に決めて放出している」「IAEAは日本が提供したデータをもとに検証している」などと非難しました。
これに日本側が「IAEAだけでなく、第三者の研究所も使って検証している。中国の行動はIAEAの権威を弱めるものだ」などと反論し、その後も日中の代表による応酬が繰り広げられました。
一方、会議では、欧米だけでなく、いわゆる「グローバルサウス」側から日本の取り組みを評価する発言があったほか、ロシア側からは、「加盟国は懸念を表明する権利がある。国際的な透明性が重要だ」などと、中国側を擁護する発言があったということです。