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全人代閉幕「国家安全法」導入で新たな火種

2020年5月29日 1:37

中国の国会にあたる全人代=全国人民代表大会は最終日となる28日、香港で反政府活動を取り締まる「国家安全法」の導入を決めました。

全人代は28日、香港での反政府活動を取り締まる「国家安全法」の導入を圧倒的多数で決めました。閉幕後の会見で李克強首相は、決定は香港のためだと意義を強調しました。

これに対し、アメリカなどは「香港の自治と自由を根本的に損なう」などと批判、国際社会からの圧力も強まっています。香港では若者らを中心に徹底抗戦の構えで今後、混乱が深まることが懸念されます。

一方、経済では新型ウイルスの感染が世界に広がり、海外からの需要の減少などで厳しい見通しが示されました。経済成長率の目標設定は見送られ、景気回復や雇用の改善に力を入れる姿勢が強調されました。

ただ、香港情勢を巡りアメリカとの間に新たな火種を抱え込んだ形で、習近平指導部が目指す経済復興の道筋にも影を落としそうです。