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故・天野事務局長の業績たたえ“研究施設”

2020年6月9日 19:41

IAEA(=国際原子力機関)のトップを10年間務め、去年、在任中に急死した故・天野之弥事務局長の業績をたたえた研究教育施設がオーストリアに完成し、5日に除幕式が行われました。

ウィーン郊外に完成したのは原子力の平和利用のための研究開発や技術訓練をおこなう施設です。去年7月に亡くなった故・天野事務局長が長年にわたり原子力の平和利用を推進してきたことから、「ユキヤ・アマノ・ラボラトリー」と名付けられました。

施設には最新の遺伝子研究設備などが備えられ、国連食糧農業機関と共同で劣悪な環境の中でも育つ作物や害虫の駆除技術の開発などを行う予定です。

また医療分野では、ウイルスへの感染を調べるPCR検査の技術開発や医療関係者の訓練が行われます。特定のウイルス探知には放射線を分析する技術が応用されており、IAEAは新型コロナウイルスの感染が拡大する中、122の加盟国にPCR検査装置を提供しています。