米専門家“大統領と率直なやりとり困難に”
アメリカの新型コロナウイルス対策で、主導的な役割を担う専門家は15日、大統領側との意見対立により、「率直な評価のやりとりが困難になってきている」と明らかにしました。
米国立アレルギー感染症研究所・ファウチ所長「率直な評価のやりとりが困難になってきている」
国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長は、トランプ大統領の側近が、「ファウチ氏はすべて間違っていた」などと批判を強めていることを受け、「無意味な争いをやめて、この事態をどうコントロールするかを考えたい」と述べました。
経済再開を急ぐトランプ大統領と慎重なファウチ氏の間では、方針の違いがたびたび伝えられ、ファウチ氏自身も「2か月以上言葉を交わしていない」と明かすなど、亀裂が浮き彫りとなっています。
一方、トランプ政権は、新型ウイルスの患者のデータの集約先を専門機関であるCDC(=疾病対策センター)から保健福祉省に切り替える方針を決定しました。
ウイルス対策の専門機関を排除し、政府が直接管轄することは、専門家の軽視につながると懸念の声もあがっています。