コロナで注目!中国“新ビジネス”高収入も
新型コロナウイルスをきっかけに、中国ではスマホを使った「中継販売」という新たなビジネスが急成長しています。誰でも簡単に始められ、中には年収・数十億円という人も。コロナ禍が生んだ“チャイニーズドリーム”を取材しました。
◇街のあちこちで“中継販売”
新型コロナの外出制限が続いたことで、中国では百貨店や個人商店などさまざまな店で、スマホに向かって熱心に商品を説明している光景を見かけます。これはスマホを使って行う生中継のテレビショッピングのようなもので、紹介している商品をスマホの画面から直接購入することが出来ます。最大の特徴は視聴者が商品や値段について質問するなど、リアルタイムで売り手とやりとりが出来る臨場感です。
この中継販売ビジネスが急成長する中、引っ張りだこになっているのがSNSのフォロワーが多い“インフルエンサー”と呼ばれる人たちです。中国のトップクラスのインフルエンサーになるとSNSのフォロワーは5000万人以上で、その影響力は驚異的です。
そのため日本の「花王」や「ファンケル」を始め、世界中の企業からインフルエンサーに中継販売の依頼が殺到。トップクラスのインフルエンサーの年収は数十億円とも言われています。
◇元JALのCAの中国人インフルエンサーに密着
日本航空のキャビンアテンダントをしていた中国人女性のミシェルさん。新型コロナをきっかけに今年4月から中継販売を始めました。SNSのフォロワーは約8万人で、その影響力を買われて女性用の衣料品店から中継販売のオファーがきました。
店の一角で中継を始めると閲覧数が徐々に増え始め、1時間半の中継で視聴者は最大2万5000人にのぼり、店のネット販売部門の売り上げは普段の1.5倍となり、まずまずの結果。新型コロナで景気が悪化する中、ミシェルさんのように中継販売ビジネスの将来性に活路を見いだす人が中国では急増しています。
◇5月にはインフルエンサー養成学校が誕生
上海に誕生したインフルエンサーの養成学校は、2泊3日のコースで学費はおよそ9万円。かなりの高額ですが初回から52人の生徒が集まりました。学校には80ものスタジオがあり、元テレビ局司会者の講師が実践形式で話し方のコツを伝授します。
参加した生徒は20代から60代までと幅広く、急成長する中継販売ビジネスで成功を夢見て、必死で授業を受けます。人との接触を減らす“アフターコロナ”の時代を見据えて、中国ではすでに激しい競争が始まっています。