“民間人遺体”欧米各国が経済制裁強化へ アメリカが「ジャベリン」追加供与も
ウクライナ侵攻をめぐり、首都キーウ近郊のブチャで民間人とされる遺体が多数見つかったことなどを受け、欧米各国はロシアへの経済制裁を今後さらに強化する方針です。一方、ロシア側はねつ造だと主張しています。
首都キーウ近郊のブチャではロシア軍が撤退したあと、民間人とされる遺体が多数見つかり、ゼレンスキー大統領は5日、国連の安全保障理事会での演説で「第二次世界大戦以来、最もひどい戦争犯罪だ」とロシアを強く非難しました。
一方、ロシア側は「フェイクだ」と主張し、ウクライナ軍が4日に虐殺の被害をねつ造するために動画を撮影したことを確認したと反論しています。
しかし、「虐殺」への批判は高まっていて、EU(=ヨーロッパ連合)は5日、ロシア産の石炭の輸入禁止など追加の制裁案を発表しました。
ゼレンスキー大統領「ブチャで起きたことを受け、ロシアに対する制裁は、占領者が犯した戦争犯罪の重大さに見合ったものでなければならない」
ゼレンスキー大統領は日本時間の6日朝、公開した動画で、ヨーロッパ各国に対し、改めてロシアに厳しい追加制裁を科すよう求めました。
こうした中、アメリカはウクライナに対し、最大1億ドル相当の兵器を供与する新たな軍事支援を発表しました。対戦車ミサイル「ジャベリン」を追加で供与します。
ブリンケン国務長官は声明で、「ロシア軍がブチャをはじめ、ウクライナで行った残虐な行為に、世界は衝撃を受け、がくぜんとしている」と改めて非難した上で、各国と共に、ウクライナへの軍事・経済・人道面での支援を続けると強調しています。