ゼレンスキー氏「露軍が市民を大量虐殺」強く非難
ウクライナのゼレンスキー大統領は4日、民間人とされる遺体が多数見つかった首都・キーウ近郊のブチャを視察し、ロシア軍が市民を大量虐殺したと強く非難しました。
(※映像の一部には遺体が映っており、モザイクをかけています)
ウクライナ当局はロシア軍が撤退したブチャなどキーウ州全体で民間人410人の遺体が見つかったとしています。ゼレンスキー大統領は現地を視察し、「戦争犯罪であり、ジェノサイド(=大量虐殺)として世界に認識されるだろう」とロシアを厳しく非難しました。
また、「キーウ近郊のボロディアンカなどほかの町では、犠牲者数ははるかに多いだろう」と述べ、今後、死傷者の数がさらに増えるとの見方を示しました。
こうした中、EU(=ヨーロッパ連合)はロシアに対する追加制裁の準備を進めることを表明しました。戦争犯罪と人道に対する罪の証拠を集めるため、ウクライナ当局と合同捜査チームを立ち上げたとしています。
一方、ロシアのネベンジャ国連大使は4日、ブチャで遺体が見つかったことについて、「フェイクニュースだ」と反発し、「ロシア軍は関与していない」と主張しました。その上で、「ロシア軍が民間人を殺害していないことを示す証拠を国連の安全保障理事会に提出する」としました。
安保理は5日に緊急会合を開き、ゼレンスキー大統領も安保理では初めてとなる演説をオンラインで行う予定です。
ロシア軍が包囲を続ける南東部のマリウポリでは、ロシア側が新たな市長を一方的に擁立しました。地元当局が4日、SNS上で明らかにしました。マリウポリはロシア軍の激しい攻撃を受け、陥落間近ともいわれています。