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ウクライナ東部 投降しなければ強制排除も

2014年4月11日 18:18

 ウクライナ東部では、親ロシア派のデモ隊による地元政府庁舎などの占拠が続いている。政権側は強制排除に乗り出す可能性を示唆しているが、デモ隊側は徹底抗戦の構えで緊張が高まっている。こうした中、ロシア軍が国境付近に兵を集結させていることが明らかになった。

 ロシア系住民の多いウクライナ東部のドネツクなどでは、ロシア編入を求めるデモ隊が地元政府庁舎などの占拠を続けている。暫定政権側は、ヤツェニュク首相が11日にドネツクを訪れるなど対話による解決を模索しているが、デモ隊側は徹底抗戦の構えを崩していない。暫定政権のアワコフ内相によると、日本時間11日夕方までに投降しなければ強制排除に乗り出す可能性を示唆していて、衝突が起きる恐れもある。

 こうした中、NATO(=北大西洋条約機構)のラスムセン事務総長は、衛星写真を分析した結果、「ロシア軍がウクライナとの国境付近に4万人の兵士を集結させている」と明らかにした。ウクライナ駐在のアメリカ大使が公開した衛星写真からも、国境付近に多くの軍用車両がいることが確認できる。

 一方、アメリカ・ワシントンでは10日、ロシアも参加し、G20財務相・中央銀行総裁会議が始まった。ウクライナ情勢を巡り、ロシアへの表だった批判はなかったものの、G7(=先進7か国)による非公式会合では、ロシアへの新たな制裁について発言があったという。