台湾が実効支配する金門島付近で、台湾当局が追跡していた中国の漁船が転覆し、2人が死亡した事故で、台湾側は、取り締まりの過程で、接触があったと発表しました。中国政府は責任者の処罰を求めています。

台湾が実効支配する金門島付近の海域では、14日、違法操業の疑いで台湾当局に追跡されていた中国漁船が転覆し、2人が死亡しました。

台湾当局は21日、追跡中に漁船と複数回、接触していたことを明らかにしました。また、高速で追跡していたため船のかじ取りが難しく、取り締まりの様子を録画することができなかったと説明しています。

転覆した漁船に乗っていた生存者2人は中国側に送還されましたが、中国メディアでは2人が「台湾側に追突されて転覆した」と話す様子が報じられています。

中国政府で台湾政策を担当する国務院台湾事務弁公室は、「民進党が政権に就いて以降、中国の漁民を乱暴に扱っている」と改めて非難し、責任者を処罰するよう求めました。さらに「台湾側に責任がある」と強調していて、民進党政権への圧力を強める狙いがあるとみられます。