雑踏事故を防ぐ“仕組み”必要 尹錫悦大統領が対策強化の考え 韓国
韓国・ソウルの繁華街、梨泰院で154人が死亡した転倒事故で、原因究明に向けた動きが本格化しています。
事故があった現場では、今も多くの遺留品が残されているのがわかります。警察は31日の午後4時過ぎまで2時間あまり、現場で鑑識を行っていて、今後の事故の原因究明につなげたい考えです。
追悼の動きも続いています。
現場のすぐ近くには梨泰院の駅がありますが、入り口には多くの花が手向けられています。傍らにはメッセージカードも貼られていて、「助けられずごめんなさい」などと悲痛な思いが綴られています。
被害者らと同じ世代の孫がいて姿を重ね合わせて追悼する高齢の男性や、当日、非番で救助活動にあたれず何もできなかったことを悔やむ消防職員の姿もありました。
現場以外でもソウル市庁舎をはじめ、全国の各地域に焼香を行う場所が設けられています。
韓国では来月5日までが哀悼期間になり、大小問わず様々なイベントが中止され、国全体が重苦しい空気に包まれています。
警察当局は新型コロナウイルス流行の前は最大90人だった現場の警備の人員を、今年は増員して137人配置していたと説明しています。
ただ、警備体制の手薄さへの指摘が相次ぐ中、31日、尹錫悦大統領は、今回のような自発的な集まりについても適用できる雑踏事故を防ぐ仕組みを用意する必要があると、対策を強化する考えを明らかにしました。