“捕虜になる前に自決”北朝鮮当局が兵士に強要? 韓国情報機関が明らかに
ウクライナとの戦闘に、ロシア側として参加する北朝鮮兵。捕虜とみられる映像が公開されました。その北朝鮮の兵士について、韓国の情報機関は13日、捕虜になる前に「自決」を強要されていたと明らかにしました。
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ウクライナ軍が捕らえた北朝鮮兵士の捕虜2人への尋問とみられる映像が、ゼレンスキー大統領のSNSで公開されました。
通訳
「戦場で指揮官たちは何と言っていた?」
北朝鮮兵の捕虜
「訓練を実戦のようにやると言っていました」
捕虜の1人は、戦闘ではなく“訓練”だと聞かされていたと話します。
通訳
「1月3日から前線にいるの?」
北朝鮮兵の捕虜
「1月3日に(戦場に)来て、隣の仲間が死んでいるのを見て、それで防空壕(ぼうくうごう)に隠れていて、(1月)5日に負傷してしまって」
ロシア・クルスク州でウクライナ軍に捕らえられた、北朝鮮兵士の捕虜。捕虜の1人はケガの影響で話すことができないとみられ、「北朝鮮に戻りたい?」という質問に対してうなずき、北朝鮮への帰国を希望する意思を示しました。
北朝鮮をめぐっては去年の10月以降、ロシアへの派兵が伝えられてきました。その数、約1万2000人。(ウクライナの発表による)
ウクライナの治安当局が11日に公開した映像では“北朝鮮兵”が捕虜として過ごす様子が。鉄格子の奥で横たわる姿が映っています。ベッドの脇には、パンとスープでしょうか、食事が置かれています。
ウクライナ保安庁の広報官
「2人の北朝鮮兵についてお話しします。1人は1月9日に特殊作戦部隊によって拘束され、もう1人は空挺(くうてい)部隊によって拘束されました」
9日に拘束されたという2人。1人は顎(あご)にテープを巻かれ、別の1人は手を包帯で覆われています。動画では、医師が2人の健康状態について語りました。
医師
「1人は顎と顔面を負傷しているため、歯科医が治療を行います。もう1人は足に骨折を伴うケガをしていますが、2人とも十分な手当てを受けています」
ウクライナが国際法に基づき、捕虜を適切な環境で拘束していると強調しました。
ゼレンスキー大統領は北朝鮮兵士の捕虜について、ロシア軍に捕らわれているウクライナ軍兵士との交換を条件に、北朝鮮側に引き渡す用意があるとSNSで明かしました。ゼレンスキー大統領は、「今後、北朝鮮兵士の捕虜が増えるのは、時間の問題だ」としています。
ロシアに派遣された北朝鮮の兵士をめぐって新たな情報も…。韓国の情報機関「国家情報院」は13日、北朝鮮当局が、北朝鮮兵に対し、捕虜になる前に自決するよう強要していたと明らかにしました。
ウクライナ軍に捕まりそうになった北朝鮮兵が、金正恩総書記の名前を叫びながら手りゅう弾で自爆しようとして、射殺されたこともあったということです。