トランプ前大統領「私は無実だ」 “機密文書持ち出し問題”で起訴 大統領選挙への影響は?
機密文書を持ち出した問題で起訴されたアメリカのトランプ前大統領は、自身のSNSで「悪いことは何もしていない!」と無罪を主張しています。今後の選挙戦にどう影響するのか、専門家に聞きました。
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トランプ前大統領(8日)
「私は無実だ、悪いことは何もしていない! すべてがデマだ!」
トランプ前大統領が、カメラに向かって“無実”を訴える動画を公開しました。「機密文書の持ち出しをめぐり、起訴された」とSNSで明らかにしたのです。
去年8月、FBI(=連邦捜査局)がトランプ前大統領のフロリダ州の自宅から、「トップシークレット」と書かれた書類を押収しました。政府の機密文書をホワイトハウスから持ち出し、自宅に違法に保管していた疑いで、特別検察官が捜査を続けていたのです。
今回、トランプ前大統領は「スパイ防止法違反」など7つの罪で起訴されました。
実は、今年3月にも、ポルノ女優に不倫の口止め料を支払ったとされる問題でも起訴されていました。しかし、アメリカ史上初の大統領経験者の起訴にもかかわらず、熱狂的な支持が衰えることはありませんでした。トランプ前大統領の支持率は、起訴された3月以降も上がり続け、出馬表明した去年11月以降、最も高い水準となっています。
2度目となった今回の起訴は、選挙情勢にどう影響するのでしょうか。専門家に聞きました。
明海大学 小谷哲男教授
「(同様の捜査を受ける)バイデン大統領は起訴されず、自分は起訴されるということで、『バイデン政権、民主党政権の陰謀である』ということを強く訴えるでしょうから、それによって支持率がさらに上がる可能性は十分にある」
ただ、今回の件は、不倫の口止めに関する問題より影響が大きいといいます。
明海大学 小谷哲男教授
「機密文書を保有していたというだけで最長10年。司法妨害に関しては最長20年。かなり重い罪に問われている」
――収監となる可能性はどれくらい?
明海大学 小谷哲男教授
「これはかなりあると思います。トランプ候補が刑務所から選挙活動を行う可能性も否定できない」
トランプ前大統領は、今月13日にマイアミの連邦裁判所に出頭するよう要請されているということです。