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コロナ禍の中国でゲームビジネスが急拡大

2021年1月22日 13:22
コロナ禍の中国でゲームビジネスが急拡大

コロナ禍で各国の経済が冷え込む中、世界の主要国の中で唯一、経済がプラス成長となった中国。そんな中国では今、新型コロナウイルスの影響でゲーム人気が急拡大しています。プロを目指そうと1日10時間以上もゲームの練習に打ち込む若者も現れています。

■ゲームの競技人口が半年間で2600万人以上増加
中国の若者たちが熱狂しているのは、対戦型ゲームで勝敗を競う「eスポーツ」と呼ばれる競技です。中国では新型コロナウイルスの影響で在宅時間が増えたことで、eスポーツの競技人口が半年で2600万人以上も増え、大きなブームになっています。通販サイトでは「長時間ゲームをしても疲れない」という20万円以上もする「ゲーム専用チェア」が続々と発売されています。

■「ゲーム専用ホテル」が続々オープン
本格的なゲームの機材が揃っているゲーム専用ホテルは、「仮眠をとりながら一晩中、好きなだけゲームに打ち込める」と若者の間で大人気に。コロナの影響で旅行者が減少する中、通常のホテルを「ゲーム専用」に改装するなど、中国各地でオープンが相次いでいます。

■プロを目指して1日10時間ゲームの練習に打ち込む若者たち
中国ではゲームのプロ選手の年俸は、トップクラスになると数億円にのぼります。スター選手には多くのファンがつき、まるでアイドルのような人気です。そんなプロのゲーマーを養成する全寮制の職業訓練学校が中国各地に設置されています。

取材した上海の学校では、学費が月額約21万円。中国の平均月収の1.5倍とかなりの高額にもかかわらず、13歳から20歳までの男女37人が在籍していました。

授業は、指や目の反応を高める「基礎訓練」や「戦術理解」「実戦訓練」など1日10時間以上もゲームの授業が組まれています。それでも、卒業時にプロチームと契約できるのは1学年で多くて1人か2人という狭き門です。

■高まるゲーム熱に中国の親も困惑?
「私はゲームが大好き、ゲーム産業はこれからも発展を続けると思う」こう話すのは学校で唯一の女子生徒、14歳の徐さん。渋る母親を説得し、地元の公立学校を休学してやってきました。今は母親とともに学校の女子寮で生活しています。

しかし、中国は日本以上に厳しい学歴社会。母親は涙を浮かべながら複雑な心境を明かしました。「ゲームの一流選手の報酬は上限がないほど高いけれど、そうでない選手は食べていけないのです」「親として(娘をゲームの学校に入学させた)この決断は、とても辛かったです。世間の目もありますし」

中国政府は、ゲームが、アフターコロナの時代を支える“新たな産業”になる可能性があると後押ししています。来年、中国・杭州市で開かれるアジア大会ではeスポーツが正式種目になることも決定していて、今後もこの人気は衰えそうにありません。