×

厳戒の武漢“コロナ警鐘”医師の死から1年

2021年2月9日 9:41

■WHO武漢調査…分析結果は?

8日夕方、中国・武漢ではコロナウイルスの起源を調べるWHO(世界保健機関)の調査団の姿がありました。

――今、何に焦点を当てているんですか?
調査団「……」

現在、中国側と結果の分析を進めていて、9日にも会見を開き、調査結果を発表する見通しです。

■医師の墓に警備関係者…ナゼ 

その武漢では7日、ある医師の死から1年を迎えました。墓には多くの警備関係者が集まり、中に近づくことができないようになっています。

新型コロナの脅威について世界で初めて警鐘を鳴らした、李文亮医師です。2019年の年末にウイルスの情報をSNSに投稿し、当局から「デマを流した」として処分され、その後、自身も感染し、亡くなりました。

長い間、場所すら明らかにされてこなかった李医師の墓。取材していると、警備関係者から「この出入り口への撮影はだめです」「撮影禁止!撮影禁止!」「身分証を見せなさい」と言われ、追い払われました。

李医師を処分した中国当局は、怒りの矛先が自分たちに向くのを警戒しているのです。

墓参りをした市民によると、墓の存在を隠すため、名前が一時、隠されていたそうです。そのことを記録した写真を示し、「名前が空白になっている。おかしいことだ。理解できない。怒りと悲しみを感じる」と嘆きました。

■供花は1束…病院でも厳戒態勢

さらに、李医師が亡くなった病院では当時、多くの花が手向けられていましたが、今年、取材班が確認できたのは院内に1束のみ。当局が数日前から、病院前に人が集まれないようにするなど、厳戒態勢を敷いています。

こうした中、武漢市民の有志らが李医師の銅像を制作しました。制作を呼びかけた市民は「私たちは李医師への尊敬を伝えたい。未来の人々に2020年に起きたことを知ってもらい、反省してもらいたい」と話しています。

■米ヤンキース球場 ワクチン会場に 

一方、2700万人以上が感染したアメリカでは、ニューヨーク州のヤンキースタジアム内に接種会場がオープンし、長い行列ができていました。

メジャーリーグのニューヨーク・ヤンキースの球場を使った、ワクチンの大規模接種が始まりました。

接種をした人からは「安心したわ。ワクチンを受けられてうれしいです」「巨大ワクチン会場ができて、(近隣だと)すぐに来て接種を受けることができる」と歓迎する声が聞かれました。

接種はすべて事前予約制で、対象地区を限定。最初の1週間で、最大1万5000人の接種が可能だということです。

(2月8日『news zero』より)