厳戒の武漢“コロナ警鐘”医師の死から1年
■WHO武漢調査…分析結果は?
8日夕方、中国・武漢ではコロナウイルスの起源を調べるWHO(世界保健機関)の調査団の姿がありました。
――今、何に焦点を当てているんですか?
調査団「……」
現在、中国側と結果の分析を進めていて、9日にも会見を開き、調査結果を発表する見通しです。
■医師の墓に警備関係者…ナゼ
その武漢では7日、ある医師の死から1年を迎えました。墓には多くの警備関係者が集まり、中に近づくことができないようになっています。
新型コロナの脅威について世界で初めて警鐘を鳴らした、李文亮医師です。2019年の年末にウイルスの情報をSNSに投稿し、当局から「デマを流した」として処分され、その後、自身も感染し、亡くなりました。
長い間、場所すら明らかにされてこなかった李医師の墓。取材していると、警備関係者から「この出入り口への撮影はだめです」「撮影禁止!撮影禁止!」「身分証を見せなさい」と言われ、追い払われました。
李医師を処分した中国当局は、怒りの矛先が自分たちに向くのを警戒しているのです。
墓参りをした市民によると、墓の存在を隠すため、名前が一時、隠されていたそうです。そのことを記録した写真を示し、「名前が空白になっている。おかしいことだ。理解できない。怒りと悲しみを感じる」と嘆きました。
■供花は1束…病院でも厳戒態勢
さらに、李医師が亡くなった病院では当時、多くの花が手向けられていましたが、今年、取材班が確認できたのは院内に1束のみ。当局が数日前から、病院前に人が集まれないようにするなど、厳戒態勢を敷いています。
こうした中、武漢市民の有志らが李医師の銅像を制作しました。制作を呼びかけた市民は「私たちは李医師への尊敬を伝えたい。未来の人々に2020年に起きたことを知ってもらい、反省してもらいたい」と話しています。
■米ヤンキース球場 ワクチン会場に
一方、2700万人以上が感染したアメリカでは、ニューヨーク州のヤンキースタジアム内に接種会場がオープンし、長い行列ができていました。
メジャーリーグのニューヨーク・ヤンキースの球場を使った、ワクチンの大規模接種が始まりました。
接種をした人からは「安心したわ。ワクチンを受けられてうれしいです」「巨大ワクチン会場ができて、(近隣だと)すぐに来て接種を受けることができる」と歓迎する声が聞かれました。
接種はすべて事前予約制で、対象地区を限定。最初の1週間で、最大1万5000人の接種が可能だということです。
(2月8日『news zero』より)