日米首脳会談共同文書 台湾明記で最終調整
日本時間17日未明に行われる日米首脳会談の共同文書に、台湾について明記する方向で最終調整が進められていることが分かりました。
菅首相は、ホワイトハウスに最初に招かれる外国首脳となりました。会談の焦点は中国への対応です。
首脳会談では、台湾をめぐる情勢や、新疆ウイグル自治区や香港などの人権問題を含めた対中国戦略のすり合わせが行われます。両首脳は共同文書を出す見通しですが、その中で、「台湾海峡の平和と安定の重要性」を確認する文言を盛り込む方向で最終調整が進められていることが、日本政府関係者への取材でわかりました。日米首脳の間の文書の中に「台湾」が明記されれば、1969年の当時の佐藤栄作首相とニクソン大統領との間の共同声明以来、約半世紀ぶりのこととなります。
「台湾」の文言をめぐっては、盛り込みたいアメリカ側と、慎重な日本側とで調整が進められてきました。アメリカがこれを押し切った形で、台湾周辺での軍事行動を活発化させている中国へのバイデン政権の強い懸念が改めて浮き彫りとなりました。
ある日米外交筋は、「バイデン大統領が菅首相を最初の会談相手に選んだのは、日本だからではない。対中国の最大の同盟国だからだ」と、菅首相の訪米をアメリカの対中国戦略の一環と位置づけています。
今回の会談で菅首相は、バイデン大統領からさらに実務的な対応を迫られる局面もありそうです。