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再生可能エネルギーで8割の電力供給する町

2021年4月22日 18:17
再生可能エネルギーで8割の電力供給する町

世界の首脳が地球温暖化対策を話し合う「気候変動サミット」が日本時間の22日夜、始まります。私たちは、電力の8割を再生可能エネルギーでまかなうアメリカ・アラスカ州の町へ。そこには、世界が注目する「ある技術」がありました。

アメリカ北西部アラスカ州。私たちが訪ねたのは、人口2000人あまりの小さな港町コルドバ。海岸沿いではラッコなど、様々な生物が姿を見せる大自然に囲まれています。

巨大生物として知られる「ヘラジカ」の姿も!その中に突如現れたのが、3つの白いコンテナ。

出迎えてくれたのは、市長のコプリンさん。

コルドバ市長「これは蓄電システムです。蓄電池・変換器・コントロールルーム3つからできています」

風力や太陽光などの再生可能エネルギーを貯め、必要に応じて放電できる「蓄電」の技術です。

世界各国が技術を競う“再エネ”を貯蔵する「蓄電池」。今後、市場は右肩上がりで成長し、アメリカと中国が激しくシェアを争うとの予測も出ています。ただ、天候に左右される“再エネ”の弱点は、供給が不安定なこと。

コルドバ市長「水力・太陽光・風力の不安定な発電も、蓄電地があれば安定します。これが大きな強みです」

コルドバでは、これまで電力供給源は2つの水力発電所と、1つのディーゼル発電所でした。しかし「蓄電池」の導入後は、夜間など電力需要が減る間に、電気を貯めることが可能に。昼間に需要が増えた時などに、速やかに供給して、ディーゼル発電への依存度を下げられたといいます。

これにより、“再エネ”の利用比率は8割を達成しました。町の電力の需要と供給量は、パソコンやタブレットでも確認ができ、遠隔で管理しています。

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一方、港町の経済を支える水産加工場を訪ねると――

水産加工業者「漁の最盛期は、電力の使用量が冬の3~4倍になります」

アラスカの名物、サーモン漁などが最盛期を迎える夏には、出稼ぎ労働者も増え、消費電力は一気にはね上がるといいます。これにより発電が追いつかなくなった分を、蓄電池が補っているのです。

こうした蓄電システムは、小さな地域ごとに電力の「地産地消」ができるため、災害の多い日本でも有効だといいます。

蓄電事業を展開・日立ABB担当者「日本で地震・津波が起きた時、小さなコミュニティーにも、安定した電力を供給できます」

こうした取り組みを、各国はいかにして前に進めるのか。気候変動サミットは、日本時間の22日夜、開幕します。