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国連トップ「日本には素晴らしい鉄道網」

2021年6月3日 8:53
国連トップ「日本には素晴らしい鉄道網」

日本テレビの「Good For the Planet」キャンペーンにあわせて「news every.」の藤井キャスターと鈴江キャスターがお話を伺ったのは、SDGs(持続可能な開発目標)の旗振り役である国連の事務総長、アントニオ・グテーレス氏(72)です。

気候変動に対して個人ができること、東京五輪がせまる中、日本・東京へのメッセージを聞きました。

※単独インタビューの全文記事(3/3)です。


■私たちにできること…「電車を使うことも大事な貢献」

Q(藤井キャスター):国や世界レベルでの取り組みとは別に、私たち一人一人が気候変動に対して個人的にできることはどのようなものがあると考えますか?

A(グテーレス事務総長):
できることはたくさんあります。食品廃棄物を出さないよう注意することができます。毎年、9億3100万トンもの食料が廃棄されています。他方で、世界のほかの国々では飢餓やひどい問題が発生しています。だから、食品ロスに対応することが求められるし、それは、我々市民の行動にかかっています。

同時に、今は多くの人々がガソリンをたくさん使うSUVに乗っています。私は今、小さな自家用車に乗っていますが、今度は電気自動車にするつもりです。みんながこうした方向に向かえば、状況は好転すると思います。日本には素晴らしい鉄道網があります。できるだけ列車を使用するようにすることも、またもう一つの大事な貢献です。新幹線への素晴らしい投資もあり、この点で日本よりも優れた国はありません。私も利用しましたが、あれは素晴らしい体験でした。

世界で我々は孤独ではないし、我々のあらゆる行動がほかのすべての人々に影響を及ぼすことに我々は自信を持っていいのです。私は日本の一人ひとりの皆さんの責任感に本当に感心しています。私の国よりも、日本の責任感の方がずっと強いと感じることがあり、私はこの点を大いに強調したいと思いますし、この点で日本には我々に教えられることがたくさんあると思います。

■食品ロス…「胃袋よりもたくさんの目を持つべきではない」

Q(鈴江キャスター):日本はまさに「食品ロス」を大量に生んでしまっている国でもあります。そうした国にいる私たち一人一人がどのようなことを心がけていけば、世界は変わっていくとお考えですか?

A(グテーレス事務総長):
私の国には、「胃袋よりもたくさんの目を持つべきではない」という格言があります。つまり、食べ切れないものは買うべきではないし、食べ切れないほど料理してはなりません。この点で、我々は自らの行動を律しなければならないのです。

しかし日本の貢献が大きく、フードサミットの準備がとても活発に行われていることにも触れたいと思います。日本は12月に栄養サミットを招集します。食品ロスの点でも、大事な貢献となります。

日本はこの方向に導く上でとても積極的ですし、私は日本の皆さんに強くお願いしたい。和食は本当においしいので,もっと食べたくなるのはわかります。和食は世界でも最も洗練された料理で、見るだけでもすばらしいと思うのはわかりますが、日本の皆さん、日本の政府には、できる限り食品ロスを減らすための政策を打ち出すよう強く促したいと思います。

■食品ロス…「胃袋よりもたくさんの目を持つべきではない」

Q(藤井キャスター):国連がSDGsを打ち出して5年が経ちました。目標としている2030年まで10年を切っている状況です。現状をどのように評価していますか?そして、いまの課題は何ですか?

A(グテーレス事務総長):
とても心配しています。コロナ以前ですら我々は立ち後れていました。そしてコロナのため、我々の目標の多くは、後退してしまっています。

各国が、経済回復のために巨額のお金、日本円ではいくらになるのか想像もできませんが、何兆ドルものお金を支出しているわけですが、その経済回復は、持続可能な開発目標の実行を後押しする形で進められるようにしなければなりません。

グリーンエコノミーでもブラウンエコノミーでも回復は可能ですが、グリーンエコノミーでこれをやろうではありませんか。我々はより包括的な社会保障、より包括的な雇用の創出でも回復させることができるし、平等性のより少ない方法でも回復させることができます。

不平等や社会的な問題を広げる形でです。つまり、これほどの資金を今、投資するに当たっては、国内的にも国際的にもSDGsに沿った形での投資とすることが我々の主な目標です。我々は、コロナからの包括的で持続的な回復を遂げるために、日本の指導力ある役割を頼りにしています。

■日本、東京に向けたメッセージ

Q(藤井キャスター):世界と同じように、日本も、東京もパンデミックに苦しんでいます。いま世界が注目する“夏”を迎える東京では、人々がどうしていいのか本当に困っている状況です。日本に向けて、東京に向けて、メッセージをいただけますか。

A(グテーレス事務総長):
どんなイベントが開催されるにせよ、私は日本政府が、コロナについてはあらゆる悪影響をなくすためのあらゆる勧告に沿った形で実施するものと、日本政府を全面的に信頼しています。
今は、イベントの開催は細心の注意を持って計画され、実施されなければならず、数多くの制限措置も設けられると思います。どんなイベントが開催されることになっても、日本の皆さんの利益を損なわないよう日本政府が決断するいかなる対策も私たちは全面的に支持します。

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■「Good For the Planet」とは

SDGsの17項目を中心に、「地球にいいこと」を発見・発信していく日本テレビのキャンペーンです。
今年のテーマは「#今からスイッチ」。
地上波放送では2021年5月31日から6月6日、日テレ系の40番組以上が参加する予定です。