スーダン内戦…停戦に向け英で外相会合 アラブ諸国、共同声明への署名拒否
内戦が続くスーダン情勢をめぐり、イギリスで15日、停戦に向けた協議の促進のために近隣諸国などの外相らによる会合が開かれました。ただ、アラブ諸国は共同声明への署名を拒否し、イギリスメディアは「外交努力が大きく後退した」と悲観的に報じています。
スーダンでは、2023年4月から国軍と準軍事組織RSFの戦闘が続いていて、15日で内戦の勃発から2年を迎えました。
こうした中、イギリス・ロンドンで15日、停戦に向けた協議の促進のために、イギリスやフランスのほかスーダンの近隣諸国などの外相らによる会合が開かれました。会合では停戦に向けた協議のほか、スーダンへの食料などの人道支援を強化することも発表されました。
会合後に出された共同議長声明では「即時かつ恒久的な停戦と紛争の終結を優先すべきだ」「スーダンのいかなる分裂も防ぐ必要性を強調した」と述べた上で、「参加国は平和的解決への努力を積極的に支援し、緊張を高めたり戦闘を長引かせたりするような外部からの干渉などを拒否する」と訴えました。
しかし、イギリスメディアによりますと、エジプトやUAE=アラブ首長国連邦などのアラブ諸国が署名を拒否したため、参加国の全会一致での共同声明の採択には至りませんでした。
イギリスのガーディアン紙は「スーダンや近隣諸国が『UAEがRSFに対して軍事支援している』と非難していたことなどから、UAEとエジプトなどが受け入れられる中立的な表現の落としどころを見つけるのに苦労していた」と指摘した上で、アラブ諸国の署名拒否は「内戦を終結させようとする外交努力が大きく後退したことを意味する」と悲観的に報じています。