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民主主義のため国際社会に訴え ベラルーシ

2021年8月20日 18:36

東京オリンピックに出場した代表選手が亡命し、民主化を求める市民らへの弾圧が続くベラルーシ。反政権派の象徴がNNNの単独インタビューに応じ、「政権による暴力がエスカレートしている」と国際社会の対応を訴えました。

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ベラルーシの首都ミンスク。中心部にもかかわらず人影はまばらで、集まって歩く人の姿はほとんど見られません。集団でいるとデモと疑われ逮捕される可能性があるというのです。

去年の大統領選挙以降、政権による弾圧は強まったと、反体制派の象徴、チハノフスカヤ氏は話します。

反体制派・チハノフスカヤ氏「政権による暴力はエスカレートしています。毎日、多くの人々が捕まっています」

「ヨーロッパ最後の独裁者」と言われるルカシェンコ大統領が再選された1年前の大統領選挙。市民らは大規模な抗議デモを起こすなど不正を訴え続けてきました。

ルカシェンコ政権は弾圧を強め、人権団体によりますと、この1年間でおよそ3万5000人が拘束され、600人以上が政治犯として収監されたままです。

チハノフスカヤ氏「今、国を変えなければ私たちの子どもはさらに高い代償を払うことになると、(ベラルーシの)人々は知っているのです」

大統領選に立候補していたチハノフスカヤ氏。先頭に立って不正を訴えてきましたが、当局からの脅しを受け現在は隣国リトアニアに身を置きながら、アメリカのバイデン大統領など各国の首脳から支持を取り付けるなど、民主化に向けた活動を続けています。こうした動きをルカシェンコ大統領は強く警戒。

ベラルーシ・ルカシェンコ大統領「逃げた反体制派の人たちが言うことを鵜呑みにしてはいけない。EUやアメリカは彼らの間違った主張を信じている」

ベラルーシをめぐっては今月、東京オリンピックに出場した陸上代表の選手がポーランドに亡命しました。

チハノフスカヤ氏「この状況を通じて日本の人たちにもっとベラルーシを理解してもらえたかもしれない。五輪選手でさえこのひどい政権のターゲットになり得るということです」

今、チハノフスカヤ氏が懸念するのは。IMF(=国際通貨基金)が来週、新型コロナウイルス対策としてルカシェンコ政権へ送る予定のおよそ1000億円の支援金。

チハノフスカヤ氏「ベラルーシでは新型ウイルス対策に使われず、代わりに暴力のために使われると確信しています」

民主主義のために政権とたたかう市民らを支えて欲しいと国際社会に訴え続けています。