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アフガンから撤退「最後の米兵士」写真公開

2021年8月31日 12:35

アメリカ軍が日本時間の31日朝、アフガニスタンからの撤退を完了しました。20年間のアフガン戦争が終結したことになります。

アメリカの20年間の関与は、最後、テロの脅威にさらされながら追い詰められる形の結末を迎えました。アメリカ軍は、「最後の兵士」だとする写真を公開しました。

写真には、真っ暗闇の中、軍用機に乗り込む兵士の姿が写っています。

今回、アメリカ政府は、撤退スケジュールを一切明らかにしませんでした。アメリカ兵13人が自爆テロの犠牲になるなどしたためで、期限を「丸一日」残しての完全撤退となりました。

米中央軍・マッケンジー司令官「今夜の撤退は軍の20年間の任務の終了を意味する」

ブリンケン国務長官は撤退後、「アフガンへの関わりは新たな局面に入る」と強調して、今後も、現地に残る200人程度のアメリカ人やアフガン人の避難の支援を続けると表明しました。

アフガン戦争は2001年、アメリカ世論の94%という圧倒的な支持のもと始まりました。

しかし、この20年間で、2461人ものアメリカ軍兵士が犠牲になり、世論は、「これ以上アメリカの若者たちを犠牲にしていいのか」との思いから、撤退支持に傾いていきました。

アフガンでは、女性などへの抑圧を続けてきたイスラム主義勢力タリバンに加え、過激派組織「イスラム国」の地域組織も活動を活発化させています。

アメリカが命を削り続けた20年間の関与は、「失敗」というだけでなく、「混乱の始まり」「世界の不安」を生んで終結しました。