１５日午後、北朝鮮が日本海に向けて弾道ミサイル２発を発射しました。日本の排他的経済水域の外に落下したとみられます。北朝鮮の弾道ミサイル発射は、今年の３月２５日以来となりますが今回、発射に踏み切った背景には、何があるのでしょうか。

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１５日午後５時から始まった北朝鮮の国営放送のニュース─。

「金正恩同志が大雨と強風の被害を受けた地域で復旧作業の現地指導を行ってから１年がたちました」

去年、大雨被害にあった地域を金正恩総書記が視察したニュースを伝え、弾道ミサイル発射については触れませんでした。

北朝鮮の弾道ミサイル発射は、およそ半年ぶりとなります。狙いと背景にあるものは何でしょうか。

ミサイル発射の一報を受け取材に応じた菅総理大臣は─。

菅総理
「わが国と地域の平和と安全を脅かすものであり、言語道断です。国連安保理決議にも違反しており、厳重に抗議するとともに強く非難します」

ミサイルは、日本の排他的経済水域の外に落下したとみられます。韓国軍によりますと、発射されたのは弾道ミサイル２発で、飛行距離はおよそ８００キロだったということです。

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北朝鮮は、今年３月２５日以来、およそ半年ぶりに弾道ミサイルを発射しました。建国７３年の記念日にあたる今月９日には、民兵組織のパレードを行い、金正恩総書記も姿を見せていました。また、１１日、１２日には新たに開発した長距離巡航ミサイルの発射実験を行い成功したと主張しました。

一方、韓国軍は北朝鮮に対抗するためＳＬＢＭ（＝潜水艦発射弾道ミサイル）の開発を進めています。韓国大統領府などによりますと、１５日午後、最終発射実験が行われ、３０００トン級の潜水艦からミサイルが発射され目標地点に正確に命中したということです。

韓国軍のこうした動きが、北朝鮮の弾道ミサイル発射に影響したのでしょうか。

北朝鮮政治に詳しい慶応義塾大学・礒崎敦仁教授
「今年は１月に開催された朝鮮労働党大会で、金正恩総書記自ら国防力の強化、核ミサイル開発の大号令をかけていた。９月には（韓国が）ＳＬＢＭの発射実験をしている。それに対しての不満もたまっていたと思われる。ＳＬＢＭ実験まで行った韓国に対して、（北朝鮮が）けん制をしたいと思いはある」

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日本政府はアメリカなどと連携し、分析を進めるとともに、北朝鮮の今後の動向を注視していくということです。