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国連も80年 "軍縮担当”中満事務次長に聞く【キキコミ】

2025年1月28日 9:34
国連も80年 "軍縮担当”中満事務次長に聞く【キキコミ】
生活や仕事に関わるニュース。その現場で「今、起きていること」。当事者が抱える悩みや本音、キーパーソンが進める“新たな解決策”など。知ったら、私たちも何か行動したくなる?ような…情報を、櫻井翔キャスターが自ら「取材(聞き込み)」しつつ、お伝えします。(1月27日放送『news zero』より)

◇ ◇ ◇

戦後80年となる2025年、私たちは「いまを、戦前にさせない」をテーマに様々な特集をお伝えしています。

27日私は、日本人女性で初めて国連の軍縮部門のトップを務める中満泉事務次長が来日したタイミングでお話をうかがいました。

普段、アメリカ・ニューヨークの国連本部で活動している中満事務次長。核兵器や通常兵器、サイバーセキュリティーなど幅広い分野での軍縮の議論に関わっています。

実は今、新たな脅威への対応に迫られています。

○国連
 中満事務次長
「ことしの1つの目玉は、AIの軍事利用に関する事務総長報告書を書いて今年の総会に提出せよと。自律型殺りく兵器、AIを搭載するとこれ、完全な自律化ですね。要するに機械が人間の介入なしに、人間の命を奪う決定を下すかもしれない」

○櫻井
「恐ろしいですね…」

○国連
 中満事務次長
「そういう兵器がもうおそらくすぐそこまで来ていると」

こうした議論の中で国と国が直接、話ができない場合に求められるのが、「舞台裏での駆け引き」です。

○櫻井
「舞台裏というのは言える範囲で、どのようなことをされている?」 

○国連
 中満事務次長
「これは少し前ですけども、第一次トランプ政権時代にアメリカとロシアの間で、あることについて本来であれば、合意をして、プロセスを進めていかなければいけないようなそういった局面があった。ところが、直接対話はできないようなそういった状況でした。ロシア側からですね、こういったことを考えているということをアメリカ側に伝えてほしいというふうに、私のところにロシアの幹部がきて言われましたので『わかりました』と言って。ワシントンにすぐ電話を入れて、こういったことを言っているけれども、直接話すようなそういった意図はありますかと働きかけて、しょっちゅうこういうことはあります」

国連も創設80年。新たな戦争に向かわないために、国連は役割を果たせるのでしょうか。

○櫻井
「安全保障理事会の中で拒否権が発動されることもあって、機能不全に陥っているのではないか、という指摘もされることもあります。その点どのように向き合っていこうと考えていますか?」

○国連
 中満事務次長
「機能しないような、そういった状況に陥っている、これはその通りだと思います。安保理の改革をしなければいけないというのは、これは紛れもない事実だと思います」

「新しいやはり世界の中でのパワーバランスというものを、きちっと反映させたような国際機関にならなければ。実は現在のそして未来のための国際機関とはいえないのではないか、というふうに思っています」

“機能不全”を改善すべく、2024年、「緊急の安保理改革が必要」と踏み込んだ表現で合意した国連。日本も、常任理事国入りを目指しています。

○櫻井
「日本の役割というのは、どのような役割が考えられる?」

○国連
 中満事務次長
「日本のような国、つまり安保理に入りたいと思っている国が外交努力をして、イニシアチブ、リーダーシップをとってこれをまとめていくようなプロセス、これから外交努力をしていかないといけない非常に重要な時期に来ていると考えています。今回できなかったら、おそらくできないんだろうと思います」

○櫻井
「ある意味最初で最後とも言えるくらい大きなチャンス?」

○国連
 中満事務次長
「はい」

(1月27日放送『news zero』より)

最終更新日:2025年1月28日 9:34