「韓国のり」世界で人気 アメリカで“キンパ”に行列 メーカーも欧米向け商品開発
韓国土産の定番「韓国のり」の輸出額が、過去最高を記録しています。アメリカなどで需要が増加している、そのワケを取材しました。
◇
ソウル郊外にある韓国のり専門店。韓国のりを炭火であぶっていました。一日に2500枚以上が売れる人気ぶりだといいます。
お客さん
「ここは炭火で焼くから、炭火のような香りがしますよね。日本人も、のりをよく食べると思いますが、韓国人もおかずがない時、のりをおかずにして食べます」
韓国のりの魅力は、ほどよい塩味とごま油の風味です。
記者
「炭火であぶったばかりののりですが、非常にパリッとしています。明かりに透かすと、非常に薄いのがわかります。これが軽い食感の秘訣(ひけつ)だということです」
薄くて食感が軽く、手軽に食べられることも、人気の理由です。その韓国のりが今、意外な場所で話題になっています。
◇
記者(アメリカ・ニューヨーク、先月)
「こちらニューヨークのフードコートで、『キンパ』が売られている店なんですが、多くのお客さんが列をつくっています」
アメリカ・ニューヨークのフードコートでお客さんが食べていたのは、韓国のりを巻いた「キンパ」です。
お客さん
「アイ・ラブ・キンパ」
お客さん
「韓国のりの風味が、牛肉や野菜にしみていておいしいです」
お客さん
「私も韓国のりを使ってキンパを作ってみたことがあります。風味がよく調理しやすいので気に入っています」
今、韓国のりが世界的な人気となっていて、去年、輸出額が過去最高を記録しました。初めて1兆ウォン(約1000億円)を超えました。
韓国メディアによると、これは日本ののり輸出額の10倍以上になるといいます。輸出額を過去最高に押し上げているのは、欧米での「韓国のりブーム」と指摘されています。
キンパを提供する飲食店(アメリカ・ニューヨーク)
「どんどん人気が出てきています。韓国ドラマを見たのもきっかけだと思います」
アメリカでは去年、韓国ドラマの影響などもあり、SNSなどで「キンパ」が人気になっているといいます。
◇
海外で、韓国のりが人気となっているワケは、他にもあります。韓国のメーカーでは、欧米向けに商品を開発していました。
CJ FOODS・食品研究所 池丞培さん(韓国・ソウル近郊)
「今、ヨーロッパに輸出している商品です」
片手でも食べやすいようにと、通常よりも縦長で、また、味付けもバーベキュー味やホットチリ味を開発し、スナック感覚で食べられるよう工夫したといいます。
海外での売り上げは去年、前年に比べて約2割増えたということです。
◇
日本ではおなじみの韓国のりですが、実は、あまり知られていない食べ方もあります。
総菜店 店長(韓国・ソウル、22日)
「キムムチムです」
韓国のりを使った“和え物”、キムムチム。しけったのりでも作れるため、韓国では家庭でもよく手作りするといいます。
総菜店 店長
「(主な味付けは)しょうゆと水あめの2つだけだと思ってください」
韓国のりにしょうゆと水あめ、ニンニク、さらに昆布だしやニンジンなどの野菜を入れて混ぜれば完成です。
新たな魅力も光る韓国のり。人気はますます広がりそうです。