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「ONE,TWO,TRI!」“ダジャレ”で呼びかけたのは...パリの環境問題への取り組み【パリ五輪ちょっとイイ話③】

2024年8月4日 17:00
「ONE,TWO,TRI!」“ダジャレ”で呼びかけたのは...パリの環境問題への取り組み【パリ五輪ちょっとイイ話③】
五輪取材のため、パリを訪れている記者。いくつもの会場をまわって取材する際に、気になる看板を見つけました。

看板「ONE,TWO,TRI!」

どういう意味か分からず、同行していたフランス人コーディネーターに聞いてみると「これはゴミの分別を呼びかける看板で、いわゆる『ダジャレ』を使っていますね」と教えてくれました。
フランス語の「TRI」は分別を意味し、音の似ている英語の「THREE」とかけています。「ワン、ツー、トゥリー!」で、意訳するならば、さしずめ「さぁ、分別しましょう!」といったところでしょうか。

このような言葉遊びは世界共通。訪れた人に楽しみながら興味を持ってもらうためなのか、英語やフランス語を使った標語が至る所に掲示されていました。この“ダジャレ”シリーズは、競技会場など様々なところで見ることができました。

■「HAVE A GOURDE DAY」
(「Gourde=マイボトル」と「GOOD」をかけて、「マイボトルのある良き日を!」との意味)

■「OLD IS THE NEWGOLD」
(「OLD」と「GOLD」をかけて、「古いものでも金(メダル級)の価値あり」との意味)

■「WATT A GOOD IDEA!」
(「WATT=電力の単位」と「WHAT」をかけて、「(再生可能エネルギーを使うのは)なんと良いアイデアなのでしょう!」との意味)

パリ五輪は“史上最もエコな大会”を目指していて、競技会場ではペットボトルの持ち込みが禁止され、マイボトルの使用が呼びかけられているほか、関係者用のバスでは不必要に冷房を使用しないなど、環境対策が徹底されています。

この環境に対する意識は、街中でも感じる事ができます。スーパーを取材した時には、フランスの店が取り組む「リサイクル方法」を紹介してくれました。

店員「段ボールをプレスしたものが、(工場に)送られてリサイクルされていくんです」

スーパーの地下にあったのは、段ボールを圧縮してリサイクルしやすくするための機械。個々の店舗にリサイクルに使用する専用の機械が設置されているといいます。

このお店には、他にもプラスチックを砕く機械や、生ゴミから堆肥を作る機械も設置されていて、60万ユーロ=日本円でおよそ1億円かけて導入したそうです。

フランスでは2024年1月から、すべての国民に対し生ゴミを堆肥化することを義務化するなど、社会全体で環境問題に力を入れていて、今回の五輪を機にさらに環境への意識が高まっていきそうです。