日本の“外国人観光客受け入れ再開” 海外から期待の声 マスク着用などの感染対策に慎重な声も…
新型コロナウイルスの影響で停止していた外国人観光客の受け入れが10日、約2年ぶりに再開されました。都内の飲食店では外国人観光客向けのメニューが復活し、海外からも期待の声が聞かれる一方、日本で求められる感染対策から慎重な声も上がっています。
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10日、東京・渋谷区の「牛かつもと村 渋谷分店」では、韓国語や英語で書かれた外国人観光客向けのメニューを復活させました。
従業員
「海外から来てもらうお客様に出すメニューを用意しています」
ミディアムレアで揚げたこちらの店では、コロナ前は客の7割ほどが外国人観光客だったといいます。
牛かつもと村 エリアマネージャー 坂口順さん
「『やっとか…』という気持ちと、これから海外の方を受け入れるにあたって期待感と、2つの気持ちがあります」
期待を膨らませていたのは、約2年ぶりに再開した「外国人観光客の受け入れ」です。
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10日の成田空港の到着ロビー。出てくるのは海外から到着した便から多くの観光客――と思いきや、訪れていたのは技能実習生とみられる人たちなどで、外国人観光客の姿はありませんでした。
それもそのはず、10日から始まったのは、「ビザ取得などの入国手続きの申請受付」です。国土交通省によると、実際の入国は早くても来週以降になる見通しです。
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それでも、お隣の韓国では、すでに期待が高まっていました。ソウルではこんな声が聞かれました。
「最も近い日本に、まず行きたいです」
「日本に行ったことがないので、行ってみたいし、温泉にも行きたい」
「日本の食べ物が好きで、ラーメンやすしをたくさん食べたいです」
日本向けのツアーを販売する会社でも――
旅行会社ブライトスプーン キム・ヨンギュン社長
「ほとんど問い合わせが『日本旅行いつ行けますか?』という内容です」
ただ、喜びの声の一方で――
キム・ヨンギュン社長
「6月は難しそうです。まずは、ビザが一番重要ですから」
こちらの旅行会社は、今回の団体観光ビザ申請について、10日の申請開始ぎりぎりまでルールが示されなかったため、申し込みがあった複数のツアーを取り消さざるを得ませんでした。一番早くても、6月末からになるということです。
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9日、アメリカのジョン・F・ケネディ国際空港から日本へ向かう人の多くは、ビジネス目的の人でした。搭乗手続きをしている女性に話を聞きました。
日本へビジネス目的で行く女性
「まもなく東京で公開される『ハリー・ポッター』の舞台の制作に参加するためです」
それでも、仕事が休みの時は京都に行く予定だという女性が歓迎していたのは、円安です。
――円安については?
日本へビジネス目的で行く女性
「あら、素晴らしいことね!! スーツケースを1つ多く持って来たから、宝物を持ち帰れるわね!」
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イギリスでも、動き出していました。7月以降、日本へのツアーを組んでいる旅行会社では、徐々に参加者が集まりだしているといいますが――
日本旅行が専門 INSIDE JAPAN ジェームズ・マンディーさん
「『日本の受け入れが再開され次第、行きたい』という方もいますが、『コロナ対策の規制が撤廃されるまで待つ』という方もいます」
イギリスでは、ほとんどの人がマスクをつけていません。今回の受け入れ再開では、参加者にマスク着用などの感染対策が求められることで、慎重になっているのではないかといいます。それでも――
ジェームズ・マンディーさん
「日本への関心が高いのは間違いないので、予約が増えればいいと思います」
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国交省は、インバウンドの本格的な回復にはまだ時間がかかるとして、地域活性化に向け、国内旅行の取り組みも重要だとしています。