×

「飛行機撃墜した」親ロシア派の音声公表

2014年7月18日 14:52

 乗客・乗員298人を乗せオランダ・アムステルダムからマレーシア・クアラルンプールに向かっていたマレーシア航空機が17日、ウクライナ東部で消息を絶った後、墜落した。ウクライナ政府は「航空機は撃墜された」としている。

 乗客283人、乗員15人を乗せたボーイング777・マレーシア航空17便は日本時間17日午後11時過ぎ、ロシアとの国境から約50キロのウクライナ東部の上空約1万メートルを飛行中に消息を絶ち、その後、墜落した。

 ロシアのインタファクス通信によると、ウクライナ内務省高官は乗客・乗員の全員が死亡したと話している。ウクライナ政府は「航空機は撃墜された」との見方を示していて、NBCテレビなどはアメリカ政府高官の話として「地対空ミサイルで撃ち落とされた」と伝えている。

 また、マレーシアのナジブ首相は19日の会見で、墜落機が救難信号を出していなかったと発表した。ウクライナのポロシェンコ大統領は「これは事故でも災害でもなく、テロだ」と述べた。マレーシア航空によると、乗客283人のうち41人の国籍がまだ分かっていない。オランダの日本大使館によると、今のところ日本人が巻き込まれたとの情報は確認していないという。

 インタファクス通信によると、墜落現場でブラックボックスが見つかり、親ロシア派はロシア政府に分析を依頼するという。

 ウクライナの治安当局は、親ロシア派の幹部がロシア当局に対し「飛行機を撃墜した」と話している電話だとする音声を公表した。

 ロシア派幹部「たった今、飛行機を撃墜した。“地雷”グループだ」

 ロシア軍当局者「パイロットはどうした?」

 また、治安当局によると、別に傍受した電話では、撃墜について親ロシア派同士が情報を交換していたとしている。

 「何があった?」

 「民間機だ」

 「大勢乗っていたのか?」

 「ひどい。村の近くに破片が落ちている」

 一方、ロシアメディアによると、親ロシア派は「上空1万メートルを飛行する航空機を撃墜する装備は、我々は持っていない。持っているのはウクライナ軍だ」と主張している。

 今回の事態を受け、ヨーロッパやアメリカなどの航空当局はウクライナ東部の航空機の飛行を全面的に禁止した。ルフトハンザ航空など民間の航空会社は迂回(うかい)するルートで運航するという。