フィンランド「NATOへの加盟申請」表明…“賛成”国民は「今の戦争が終わったら次に何が…」
フィンランドが15日、NATO(=北大西洋条約機構)への加盟申請を表明しました。これまで“軍事的中立”の立場を貫いてきたフィンランドの“歴史的な決断”について、国民や現地在住の日本人に聞きました。
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日本時間の16日夜、プーチン大統領は北欧2か国の動きについて、「NATOの拡大は問題である」と発言しました。
約1300キロにわたりロシアと国境を接しているフィンランドが15日、NATOへの加盟申請を表明しました。その隣国、スウェーデンも日本時間16日夜、加盟申請を正式に発表。対ロシアへの軍事的結束を強めているのです。
フィンランドのマリン首相は15日、「ロシアがウクライナを攻撃したことで全てが変わった。自国だけでは、ロシアの隣で平和な未来があるとはもう信じられない」と述べました。
これまで“軍事的中立”の立場を貫いてきたフィンランドの“歴史的な決断”について、国民に聞きました。
NATO加盟に賛成する人
「安全保障や他国からの支援が必要なので、(NATO加盟は)良いことです。でも、ロシアがどう反応するか、とても恐ろしいです」
NATO加盟に賛成する人
「(今すぐ)脅威というわけではありません。しかし、今の戦争が終わったら、次に何が起きるのかはわかりません」
首都ヘルシンキにある日本料理店「かもめ食堂」で働く日本人の男性、吉田やまとさんも、「NATO加盟に賛成」だといいます。
吉田やまとさん
「ウクライナがもし仮にNATOに入っていたら、攻撃されていなかったかもしれないじゃないですか」
──フィンランド人はウクライナ情勢に興味あるか?
吉田やまとさん
「めっちゃ興味あります。次は我が身って」
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15日、記者はロシアとの国境、ワーリマーに行きました。林の中にロシア側とフィンランド側のポールが2本立っていて、その真ん中に国境があります。国境を示すポールや「立入禁止」の看板があるほかは、警備する兵士などの姿はありませんでした。ただ今後、強固な壁を建設する計画が持ち上がっています。
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NATOのストルテンベルグ事務総長は、“フィンランドとスウェーデンの正式加盟をできるだけ早めるよう努力する”と発言しました。
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一方のプーチン大統領は日本時間16日夜、「NATOの拡大は問題である。なぜなら、アメリカの利益のために人為的に作られたからだ」と発言しました。フィンランドとスウェーデンのNATO加盟は「脅威ではない」とした一方で、「両国が軍事インフラを拡張するならば、ロシアもそれに対応しなければならない」と警告しました。
(5月16日放送『news zero』より)