NZ首相“ゼロコロナ”戦略の断念を発表
“ゼロコロナ”を目指してきたニュージーランドで、ロックダウンに反対するデモが行われました。厳しい感染対策に疑問の声も上がっているということです。海外でのコロナをめぐる最新の動きです。
■ニュージーランド
およそ4400人が感染した南半球のニュージーランド。(感染者 4409人 死者 27人 米ジョンズ・ホプキンス大 5日午後5時)
最大都市・オークランドで2日、ロックダウンに反対するデモが行われました。密集する人々はほとんどマスクをつけていません。
デモ参加者
「多くの国民がロックダウンは行き過ぎだと感じている」
デモの参加者
「選択の自由が奪われている。受け入れられない、間違っている」
ロックダウンなど厳しい感染対策で“ゼロコロナ”を目指してきたニュージーランド。
しかし、今年8月、デルタ株の影響で感染が再拡大。ロイター通信によりますと、再びロックダウンに踏み切ったものの、感染は収束せず、ゼロコロナ戦略に疑問の声も上がっていました。
こうした中で4日、アーダーン首相はゼロコロナ戦略の断念を発表。
ニュージーランド アーダーン首相
「長期間の厳しい規制をしても感染ゼロを達成できなかったのは明らかだ」
ワクチン接種で、ウイルスとの共存を図るということです。
ニュージーランドでは国民のおよそ42%が接種を完了しています。(ワクチン接種完了 41.52% オックスフォード大)
■オーストラリア
その隣国で、これまでに11万人以上が感染したオーストラリア。(感染者 11万5800人 死者 1357人 米ジョンズ・ホプキンス大 5日午後5時)
メルボルン市長
「これは私たちが祝うべき記録ではない」
ロイター通信によりますと、第2の都市メルボルンは“世界最長のロックダウン都市”となり、5日時点で、のべ247日と、いまも都市封鎖が続いています。
メルボルンのあるビクトリア州では4日、新たに1377人が感染していて、その半数近くが10歳から29歳の若者です。
州政府は9月、規制に違反して行われたサッカーの試合が感染急増につながったとしています。
一方、モリソン首相は1日、およそ1年半禁止していた海外渡航を11月から解除する方針を発表しました。
この発表に市民は…
オーストラリアの人
「間違いなくその時がきたと思う。これまではルールに従っていたからとてもうれしい」
賛成意見がある一方で、反対意見も…
オーストラリアの人
「時期的には少し早いかもしれない」
去年3月に閉鎖された国境。ロイター通信によりますと、今回の解除はオーストラリア人と永住権保有者に限られているということです。
■EU
EU(=ヨーロッパ連合)の医薬品規制当局は4日、ファイザーのワクチンについて、18歳以上を対象に3回目の追加接種を承認しました。
追加接種は、2回目の接種から6か月後としていますが、免疫力が著しく低下した人については、ファイザーとモデルナ、どちらのワクチンも2回目の接種から28日後に追加接種を認めました。
追加接種はフランスやドイツなどですでに行われていますが、WHO(=世界保健機関)は途上国などへの公平な分配を優先するため、年末まで控えるよう求めています。
■韓国
32万人以上が感染した韓国。(感染者 32万1352人 死者 2524人 韓国・保健当局 5日)
ソウル近郊ではコロナ禍でリニューアルオープンが遅れていたある展望台が再開しました。
記者(韓国・金浦市 5日)
「この先、川を挟んで向こう側は北朝鮮です」
北朝鮮が見える展望台です。1.3キロ先の北朝鮮の様子は…
記者
「農作業をしているようですね、何かを手に持っているようにも見えます」
田畑で農作業をする人々の姿がありました。
展望台のある韓国・金浦市の担当者
「ここから北朝鮮を見て、平和を感じてほしい」
感染者はいないと主張する北朝鮮。集落の横断幕には「コメで我々の革命を保衛しよう」とあります。食糧事情が悪化する中、金正恩総書記は全国家的に農業に集中すべきとの方針を示しています。
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世界では2億3500万人以上が感染し、480万人以上が死亡。(感染者 2億3543万6660人 死者 480万9690人 米ジョンズ・ホプキンス大 5日午後5時)
ワクチン接種を完了した割合は、ポルトガルがおよそ85%、日本はおよそ62%、アメリカはおよそ55%。世界全体ではおよそ34%となっています。