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“戦場でのクリスマス”2度目に――ウクライナの住民「士気が下がっている」 ゼレンスキー氏は「苦心」、プーチン氏に「余裕」

2023年12月26日 10:41
“戦場でのクリスマス”2度目に――ウクライナの住民「士気が下がっている」 ゼレンスキー氏は「苦心」、プーチン氏に「余裕」

ウクライナが侵攻を受けて 1年10か月がたち、2 度目のクリスマスを迎えました。現地の住民は「士気が下がっている」と語ります。ゼレンスキー大統領が苦心する一方、ロシアのプーチン大統領には余裕が生まれているとの報道も。何が起きているのでしょうか?

■露に反発…Xmas は12月 25日に

有働由美子キャスター
「ウクライナ北東部・ハルキウ州。クリスマス・イブに兵士が集まって祈りを捧げた後、家庭料理を囲んでいます。これまでウクライナはロシア正教と同じ 1 月 7 日にクリスマスを祝っていましたが、ロシアへの反発で今年から 12 月 25 日に変更されました」
「戦場での 2 度目のクリスマスとなってしまいました」

小野高弘・日本テレビ解説委員
「気が休まることのないクリスマスです。市民の犠牲も止まりません。17 日、南部オデーサの集合住宅にロシアから 20 機の無人機が飛来。撃墜したものの残骸が落ちてきて、爆発が起きました。ウクライナのどこにいても、こうした恐怖から解放されません」

■地元住民「街の人はみんな元気がない」

有働キャスター
「去年 8 月に取材に訪れた際にお会いした、ウクライナのキーウ近郊に住むドミトロさん(42)に 25 日、今の状況について聞きました」

ドミトロさん
「空襲警報が頻繁に鳴っています。1 日に数回、昼も夜も鳴り響いています。今はいつ着弾するかも分からない状況なので、大勢で集まるのも禁止されています」
「私は軍人ではないので本当は戦いたくないけど、選択肢はありません。街の人たちはみんな元気がないと感じます。正直、士気が下がってきています」

■侵攻から 1 年 10 か月…今の戦況は

有働キャスター
「現地にいるドミトロさんの『士気が下がっている』という言葉はとても大きいと思います」

小野委員
「今、ウクライナでは何が起きているのでしょうか。ゼレンスキー大統領は苦心しています。今年、勝負をかけた反転攻勢は成功しなかったと言われています。最前線で戦う兵士が足りず、さらに 50万人が必要だといいます」
「ロイター通信によると、兵士の心の健康が深刻な問題になっていて、リハビリ施設に入る人も多くなっています。BBC によると、徴兵逃れで国外に脱出する人も 2万人規模になっています。(ゼレンスキー大統領らは)こうした問題に心を砕いています」
「一方のロシアはどうでしょうか。複数の関係者の話としてニューヨークタイムズが伝えています」
「それによると、反転攻勢を食い止めたということで夏以降、プーチン大統領にも余裕が出て、朝には水泳を続けています。中央アジアの国々の首脳を招き、71歳の誕生祝いもしました。クレムリンの高官たちは休暇を取る余裕も出てきているといいます」

■カギは…無人機妨害の「電子戦」か

小野委員
「ウクライナ軍のザルジニー総司令官は、カギを握るのは電子戦だと言っています。電波の力でウクライナ上空を飛び回っているロシア軍の無人機を妨害する作戦です」
「上空の支配を取り戻せれば地上での戦いも優位になるということで、ウクライナが導入を急ぎ、再び自分たちの力で反転攻勢を図ろうとしています」

有働キャスター
「ドミトロさんは『国際社会がもう少し、プーチンに対して厳しい行動を起こしてほしい。経済制裁をしているが、効果がないように見える』と話しています」
「この声に私たちがどう向き合うのかというのは、国際社会が今後どう向き合っていくのか、どうあるべきなのかに直結していると思います」
「こうしたことを考えてもしょうがない、と目をつぶるのではなく、本当はどうあるべきなのかを考え続けることは、諦めてはいけないと思っています」

(12 月 25 日『news zero』より)